車両製造で快進撃「シュタドラー」とは何者か

鉄道見本市の展示数では大手メーカーを圧倒

電化区間のみならず、非電化本線区間でも運転可能な高出力ディーゼルエンジン搭載のバイモード機関車「ユーロデュアル」(筆者撮影)

これに対し、今回出展されたユーロデュアルはキャタピラー社製高出力16気筒エンジンを搭載しており、電気機関車として運転する際の定格出力7000kwに加え、ディーゼル運転でも2800kwを発揮。非電化の本線で通常走行することが可能な世界初の完全バイモード車両ということで注目を集めたのだ。

シュタドラーが2年前に展示したイギリス向けバイモード機関車「UKデュアル」(88型)では、ディーゼルエンジンの定格出力は構内での入換専用として708kwだったので、ユーロデュアルはその約4倍の出力を誇る。

電化の有無を選ばない点で画期的ではあるが、ネックは電気・ディーゼル双方の機器を搭載することによる車体重量の増加だ。このhvle社向けのような高出力16気筒エンジンを搭載したモデルでは、重量は126トンに達する。当然、各車軸にかかる重量(軸重)の増加に伴う軌道への影響は無視できないため、車体長の延長および各台車3軸とすることで重量を分散させ、軌道への負担軽減を図っているが、それでも運転できる区間は軌道状態がしっかりした幹線のみで、一部のローカル線は入線できない可能性もある。

ドイツやフランスなどには、軌道状態がしっかりとした非電化幹線が多く残っていることが、こうした機関車が誕生する背景にあるのだろう。ユーロデュアルが商業的に成功を収めるか否か、この数年は動向を注視していく必要がある。

電化・非電化両用はほかにも

イギリス、グレーター・アングリア向けのバイモード車両755系(筆者撮影)

もう1つは、イギリスのグレーター・アングリア鉄道向け旅客車両「FLIRT UK」だ。これは同社の主力製品である連接式車両「FLIRT」のイギリス国内仕様で、同社が得意とするモジュール式の技術をうまく活用したことが特徴となっている。

この車両は幹線のみならず、地方ローカル線での運行も考慮した設計となっており、電化・非電化双方に対応させる必要があるため、中間にディーゼルエンジンを搭載した短いモジュールを組み込んでいる。いわば電車でありながら、編成の中間にディーゼル機関車を挟み込んだような形だ。

昨今は車両運用の効率化を図るため、こうしたバイモード車両が次々と誕生しており、ディーゼルエンジンではなく蓄電池を搭載した車両も多く見かける。バイモード車両の多くは、電車として運転するための制御装置などに加え、燃料タンクとディーゼルエンジン、もしくはモーターを回すための大容量蓄電池を搭載しなければならないため、車両設計をするうえでその搭載位置などに苦慮することになる。

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