「券売機」軽減税率の導入で浮上する深刻問題 導入まで1年を切り、外食企業が苦悩している

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また、1円玉が軽いこともあり、自動券売機の中で硬貨が循環する過程で詰まってしまう可能性もあるという。「1円単位の券売機は技術的には可能だが、トラブルが多発するリスクがあり、導入は割に合わない」(前出の券売機メーカー関係者)。店員が券売機のトラブル対応に追われるようでは、券売機がメリットどころかデメリットになりかねないということだ。

1円単位での対応が難しいことから、券売機を使用する飲食店では価格設定の選択肢が限られてくる。券売機を使う飲食チェーンの関係者は「本体価格を持ち帰りと店内飲食で別々に設定して、税込み価格を統一する可能性が高い」と話す。

仮に店内飲食の本体価格を300円、持ち帰りの本体価格を306円とすれば、税込み価格はいずれも330円となる。そうすることで、10円単位の券売機でも対応が可能というわけだ。こうした価格設定は国税庁も容認している。

税込み価格統一の問題点

とはいえ、本体価格をずらして価格を統一することには懸念もある。軽減税率を先駆けて導入しているドイツでは、税率の低い持ち帰りの割合を店側が実際より過大に申告することで、納税額を抑える問題が発生している。

持ち帰りにも対応する飲食店はどのような価格設定にするのか(写真:撮るねっと / PIXTA)

前出の飲食チェーン関係者は「将来的に再び消費税が引き上げられるときに軽減税率が据え置きとなれば、そのたびに本体価格を引き上げて税込み価格を合わせることになる。そういうことを繰り返して消費者が納得してくれるのか」と不安を隠さない。

今回は生活必需品とみなされた飲食店の持ち帰りや宅配の税率を8%に据え置く反面、店内飲食は10%に引き上げられる。ただ券売機のような技術的な問題などを理由に、税込み価格を同一とすることを国税庁が認めるということであれば、政府が掲げた“低所得者対策”という位置づけはどうなるのか。いずれにせよ、外食企業に残された準備時間はそう多くない。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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