東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資

「高値づかみ」しがちな人が取るべき戦略 投資家が下落相場でも勝つ「1つの方法」

5分で読める
  • 大江 英樹 経済コラムニスト、オフィス・リベルタス代表
2/2 PAGES

「ドルコスト平均法は役に立たない、安値で買って高値で売るほうがよほど儲かる」という人がいますが、それができれば誰も苦労しません。どんなに熟練したプロでも、そんな難易度の高いことはなかなかできないものです。ですから、素人でもできる次善策として、同じ金額で購入を続ける「ドルコスト平均法」は、とても効率的なのです。

もう少し具体的に考えてみましょう。ドルコスト平均法が最も効果を上げるのは、購入している間、「相場が下がり続け、その後戻すというパターン」です。逆に、購入している間「上がり続けて、その後下げに見舞われる」と最悪のパターンとなります。それをごく単純化した図が次のグラフです。

積立投資は、上がり出してから投資を始めてその後下がるのと、下がり続けてから投資を始めてその後上がるのでは、資産評価額は後者のほうが高くなる(筆者作成)

相場は永遠に上がり続けることもなければ、下がり続けることもありません。下がり続けても、いつかはどこかで必ず反転する時がきます。そう考え、上記のパターンに従って考えると、積立投資を始めるのに最良のタイミングは、“これから相場が下がり始める時”ということになります。

ただ、相場の動きは誰も正確には当てられないものです。したがって、相場状況に合わせて、いつからドルコスト平均法を実施するか判断するのもまた難しいことです。

急に暴落すると、人は誤った行動に出やすい

では、「ドルコスト平均法」の最大のメリットは何でしょうか。それは高いリターンが得られることでも、リスクが低くなることでもありません。購入をルール化することで、上下の変動に対して気をもむ必要がない点、市場の動きに惑わされて不合理な意思決定や投資判断を下すのを防げる点にあります。多くの人にとって持株が下がると、見るのも嫌になるし、積立投資をやめたくなるものです。逆に上がってくるとうれしくなって毎日価格をチェックしたり、余裕があれば買い増ししたくなるものです。

それらの行動は、あまり適切とは言えません。

むしろ下がった時に買い、上がった時は冷静に売るのが賢いやり方です。とはいえ、人間の心理は往々にして逆の方向に向かいがちです。そこでそれを防ぐのに一定の効果があるのが、ドルコスト平均法なのです。ただ、気をつけなければいけないのは、同じ投資対象に投資し続けるわけですから、単一の投資対象であればリスクが集中しかねません。あくまでも、積立投資して分散投資を行うことが大切なのです。

銘柄を選定したり、売買のタイミングを考えたりするのが好きな人は、大いにそれをやればいいと思います(筆者は割とそういうタイプです)。ところが、そういうことが面倒だったり、得意でなかったりする人は、「ドルコスト平均法」を使った積立投資を利用するのがベターでしょう。投資は時間を費やせば、勝てるものではありません。人生には、投資よりも面白いことや楽しいことがたくさんあります。ほかに好きなことがある人にとって、時間も頭も使わなくていい積立投資が、やはり投資におけるベストチョイスではないでしょうか。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数