4000万円の家は「増税」でいくら高くなるか

ライフプランや税制優遇の見極めも重要だ

さて、家を買うときは物件価格のほかに「諸費用」が必要ですが、その中の手数料にはもれなく消費税がかかります。中古住宅や建売住宅の購入時や注文住宅を建てる際の土地の購入時に、物件価格の3%+6万円相当額を支払うことになる「仲介手数料」にも、消費税がかかります。

また、新生活を始めるうえで避けられない引っ越し費用や、家電や家具などの耐久消費材といった出費にも消費税がかかりますから、負担感は想像以上に大きくなりそうです。

ちなみに、その他の諸費用の主なものとしては、保険料(火災保険料・地震保険料など)や税金(印紙税・固定資産税・不動産取得税)、住宅ローン保証料、マンションの修繕積立基金が挙げられますが、これらには消費税はかかりません。

ライフプランの視点が重要

「消費税がアップする前に買ったほうがいい?」と悩んだときは、消費増税による負担増の側面だけに捕らわれるのではなく、4つのポイントから判断する視点が重要です。

具体的には「金利」「物件価格」「ライフプラン」「税制優遇」です。まず、1点目の「金利」は史上最低水準にあり、今後に上る可能性はあっても下がる余地はほぼない状況にあるため、早めの購入のほうが確実に低金利の恩恵が受けられるといえます。消費増税は景気回復を前提にして推し進められていますが、景気回復は金利上昇を伴うのが一般的だからです。

対して、2点目の「物件価格」は、現在は割高な状況にあります。家の値段を形作る2大要素は材料費と人件費ですが、オリンピックや災害復興住宅の建設ラッシュのため、いずれもあちこちで不足気味です。

つまり、どちらも調達コストが非常に割高で、特に大都市圏では同じ立地の新築物件が数年前より数千万円単位で高くつくことも珍しくありません。つまり、物件価格から見ると、今は決して買い時とは言えない様相です。このトレンドは、消費税増税の前後で大きくは変わらないと思われます。

さて、特に重要なのが3点目の「ライフプラン」からの視点です。シングルや夫婦2人のケースなら、退職までに完済するうえでの返済期間や、社宅退去のタイムリミット、親の介護の必要性の有無、転勤の可能性などで、住宅購入の可否やタイミングを見ることが大切です。

子どもがいるケースでは、子どもの声にも耳を傾けることが重要です。転校の有無や受験に集中したい時期などの配慮なしに住宅購入した結果、「転校したくなかったのに」「塾や習い事を我慢しろと言われても、家を欲しいなんてひとことも言ってない。ひどいよ」など、後々家庭内でトラブルになったケースもよくあります。家族の幸せを願っての住宅取得が、不幸せを招く事態は避けたいところです。

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