ドンキの「549円ボジョレー」が実現したワケ オリジナル製品の売り上げが伸びている
小売がナショナルブランドを商品として扱うなかで、競合となる自社の商品を大々的に売り出すのは、矛盾しているように感じる。しかしこれはもはや昔の話で、消費者目線で小売業がメーカーと協力しながらよりよい商品を開発し、販売が伸びれば結果として業界全体が活性化すると、ポジティブな見方がされるようになっている。
2020年に売り上げ1兆円超を計画
またドン・キホーテといえば、2018年10月の、ユニー完全子会社化のニュースも気になるところだ。すでに前年の業務提携により、総合スーパーのアピタおよびピアゴ6店舗において、「MEGAドン・キホーテUNY」を展開。2018年3~8月の半年間における累計売上高は132億円と、前期(68億円)の2倍近く増えている。
このモデル店舗が好調なのは、ユニーの強みである食品事業と、ドン・キホーテの時間消費型店舗、アミューズメント性の両者が融合した結果と同社は考えているようだ。現在、ドンキ・ユニーのダブルネーム店舗リニューアルの計画は第2弾まで発表されており、2019年8月上旬までに、東海地区や北関東などに12店オープンする予定だ。
1989年にオープンした第1号店以来培ってきたアミューズメント性の高い店舗作りのノウハウ、顧客ニーズを取り入れる仕組みのほか、さまざまな業態の展開やオリジナル商品の開発、といったところに同社の特徴がある。
足元の2019年6月期の第一四半期(2018年7~9月)の売上高は前年同期比11・9%増の2500億8000万円に。うち、主力のドン・キホーテを含む小売り事業の売り上げは2427億300万円と、同12.1%増えた。食料品や日用品などの生活必需品が伸びたほか、インバウンド消費の伸びも大きく影響している。
とりわけインバウンドに関しては、24時間営業店を含め深夜までの営業店を展開していることや、外国語対応など外国人ニーズを取り入れた対応が功を奏している。2018年6月期には、客数が486万人と前期比の約1.5倍、免税品売り上げ構成比も6.2%から8.7%へと、2.5%増えた。
2015年に策定した中期経営計画では、2020年に売上高1兆円、店舗数500店を掲げているが、店舗数は国内389店舗、海外店40店舗と、計429店舗となっているほか(11月末時点)、2019年6月期の売上高の見通しはすでに1兆円となっている。
いずれ「ドン・キホーテ」という名称が、ブランド力を持つ日もくるのかもしれない。
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