ドンキの「549円ボジョレー」が実現したワケ オリジナル製品の売り上げが伸びている

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反響はというと、「具体的な数字は公表していない」が、お客には好評とのことだ。特に最安値の549円のボジョレーは人気で、売り切れている店舗も。

商品でいっぱいの通路もドンキらしさの1つ。人気のため目立たせる必要がないからか、最安値のボジョレーがひっそりと置かれている。(筆者撮影)

MEGAドンキ渋谷本店を訪ねてみると、パーティーシーズンとあって、ボージョレー・ヌーボーを含めワインの棚が売場の大きな面積を占めていた。そのなかにあって、最安値のワインは通路の、目立ちにくい場所に積まれている。もう少し注目を集める場所に陳列してもよいかと思われるが、同社では個店主義をモットーとしており、売場の作り方は各店舗によって異なる。渋谷店ではインバウンドらしきお客が圧倒的に多く、特に食品や雑貨を並べた棚に人があふれていた。

同社がこうしたオリジナル商品に力を入れているのは、消費者ニーズへの対応のためだ。ボジョレーとは別の話になるが、2009年からは、プライベートブランド「情熱価格」を展開。店舗のほかホームページのお問い合わせフォームやコールセンターを通じて寄せられるお客の声を吸い上げ、国内外のメーカーとともにオリジナル商品を開発している。商品カテゴリーは多岐にわたり、なかにはPC、タブレットも。2018年6月に第3弾として発売された「ジブン専用PC&タブレット3」は税別2万円を切る価格で販売された。

消費者からの声を現場から経営層まで共有

なお、こうした消費者のニーズを迅速に取り入れるための仕組みとして、同社では寄せられた消費者からの声を現場から経営層までウェブ上で共有しているという。

では、このオリジナル商品(OEM商品も含む)はどの程度売れているのか。たとえばドン・キホーテと長崎屋の2018年6月期の売り上げを見ると、908億円となっており、全体の10.9%を占める。

「当社はディスカウントストアとして、ナショナルブランド商品をできるだけ安く提供することを使命としています。ナショナルブランドだけではお客様のニーズに対応できないこともあるため、売上構成比率にこだわらず、プライベートブランド商品の開発をしています」(広報室)

とのことで、今後も力を入れていく方針のようだ。この10.9%というのは客観的に見て、低くはない比率だ。小売業界では今、プライベートブランドがちょっとしたキーワードで、「セブンプレミアム」のように、年間1兆3200億円を売り上げるブランドもある。

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