予防接種しても感染する「インフル」への対処 日常生活での予防は手洗いとマスクが重要
インフルエンザの「ハイリスク群」とは
免疫力が弱く抵抗力がない人、あるいは、心臓、腎臓、呼吸器の機能に障害があるな ど基礎疾患を持っている人は重症化しやすいです。高齢になると加齢で免疫力が低下しやすく持病を抱える方も多いため、ハイリスク群と位置付けられています。
ワクチン接種は重症化を防ぐ
手洗いやマスクを心掛けていても、流行シーズンにはインフルエンザウイルスに知らぬ間にアタックされます。その予防として有効なのが、インフルエンザワクチンです。基本的に65歳以上の方が定期接種の対象で、11月以降に1回接種することが望ましいとされています。
でも、ワクチンを接種してもインフルエンザになってしまうことはありますね。それは、インフルエンザウイルスが変異しやすいことに関係しています。ワクチンと流行するウイルスは100%は一致しないので、感染を完璧には予防できないのです。
「麻疹や風疹などのワクチンは、接種すれば基本、感染を防げますが、インフルエンザワクチンは4〜6割の感染制御にとどまります。ただし、主に重症化を防ぐために意味があります。インフルエンザワクチンを接種することで、仮に感染しても症状は軽く済み。肺炎などの二次感染を防ぐためにも役立つのです」と砂川先生は説明します。
インフルエンザになってしまったときには、かかりつけ医などで治療薬を処方してもらい、重症化を防ぐことが重要になります。このとき大切なのは、医師の指示に従って処方された薬をきちんと服用することです。
「症状が治まったからといって自分勝手に服用をやめると、体内で薬に抵抗力を持つ耐性ウイルスが生き残り、薬が効かないウイルスを増やすことになります」と砂川先生。
予防に努め、薬は正しく使って、重症化を防ぎましょう!
インフルエンザで処方される主な薬
●飲み薬による治療
(薬の名前)オセルタミビル (タミフル)
(使用回数)1日2回/5日間
(特徴)治療にも予防にも有効。 副作用は悪心、嘔吐などがある
●薬の吸入による治療1
(薬の名前)ザナミビル (リレンザ)
(使用回数)1日2回/5日間
(特徴)治療にも予防にも有効。副作用は、咳の悪化、気管支攣縮など
●薬の吸入による治療2
(薬の名前)ラニナミビル (イナビル)
(使用回数)1回のみ
(特徴)一度吸入すれば治療終了。 うまく吸入できないと治療が不十分になってしまう
●注射による治療
(薬の名前)ペラミビル (ラピアクタ)
(使用回数)1回のみ
(特徴)静脈注射。薬を口から飲めない、吸入できない人に(認知症患者、寝たきりの人など)。 原則的には何らかの病気で入院中の人に使用
上記の他に今年3月に保険適用となった「ゾフルーザ」(飲み薬 1回のみ服用)がある。