「嫌な話」は15秒にまとめるとすごく伝わる 万能「ハンバーガーのフォーマット」とは何か
ハンバーガーは肉をパンではさんだ料理ですが、この場合、「肉」は言いにくいこと、「パン」は話しかけるための一言と締めの一言を指します。(下図参照)
たとえば、以下のような場合。
話しかけの一言は相手との関係などで変わる
この言葉の場合、まず「課長、たいへん申し訳ないのですが、」が話しかけの一言になります。
ほかのケースだと、たとえば夫に対して「買い物で相談したいことがあるんだけど、」友人に対して「あのさ、お金のことでちょっと困ったことになっちゃって」といった言葉が考えられます。
話しかけの一言は、相手との人間関係や、話しかけるときのシチュエーションによって変わってきます。
大事なのは、ここで長々とした前置きを入れないようにすること。そのためには、話す前に何を話すかをしっかりまとめておかなければなりません。たとえて言うなら、体操の跳馬(1メートル強の高さに設定された「馬体」に手をついて跳び越し、演技のスケールと美しさを競う競技)のようなもので、どんな演技をするかを助走の段階で考えている選手はいません。みな、走り出す前に演技のイメージを頭に思い浮かべています。
先に話す内容を整理しておけば、話し始めでもたつくことはありません。だから話し慣れていない人は、言いたいこと、言うべきことのメモをつくってから話しかけるとよいと思います。
「頭の整理が心の整理」というのが私の持論です。この本で言いたいことの1つが、「頭の中を整理すると心が楽になる」ということです。のちのち詳しく述べますが、私は教鞭をとっている明治大学で、学生たちに15秒で話す練習を徹底的に課しています。その結果わかったことは、「15秒を意識すると頭の整理が進みやすい」ということです。
15秒にまとめることで、はじめて頭の整理ができるのです。
話し始めは前置きを話すのではなく、「これから話したい内容はこのことです」と明確にすることで、まず相手の意識をそちらに向けさせることがポイントになります。ビジネスシーンではだいたい「~の件ですが、」といった言い回しになるでしょう。
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