「嫌な話」は15秒にまとめるとすごく伝わる

万能「ハンバーガーのフォーマット」とは何か

そして「提案のかたち」で終わらせれば、相手も納得し、評価も下がらず、怒りを呼ぶことはありません。

ここで私が述べたいことは、言いにくいことを15秒で伝える技術を身につければ、いま抱えている問題を劇的に改善させるための強力な武器になる、ということです。

論語の説明でさえ15秒でできる

10年ほど前、私は『1分で大切なことを伝える技術』(PHP新書)を上梓(じょうし)して、たいへんな好評をいただきました。

同書では、「川のフォーマット」という伝え方の基本パターンを紹介しました。

何か相手に伝えたいことがあるときに、まず相手との間に1本の川が流れていることを想像します。向こう岸にあるのは「相手の理解」。このときに、川に3つほど石を置いて、その石をぴょんぴょんと歩いて向こう岸にたどり着く、というイメージを持ちます。つまり説明を三段階に分けて行うということですね。

この「川のフォーマット」の実践トレーニングを、私は大学でも社会人向けのセミナーでも行ってきましたが、最初に取り組んでもらっているのは「15秒で1つの話をする」ということです。この部分をマスターすれば、3つ重ねて45秒になり、さらに前振りと締めの言葉を加えて1分で終わる、というわけです。

言い換えるなら、15秒あれば必要最小限の話は伝えられる。私はこのトレーニングを通じて、しだいにそう確信するようになったのです。たとえば『論語』の説明でさえ、以下のようにまとめられます。読み上げれば15秒もかかりません。

人間にとって大切な徳を、『論語』は「智・仁・勇」と説いています。智は頭の働き・判断力。仁は人に対する優しさ・真心。勇は行動力・あきらめない心です。

15秒で話を完結できるなら、話題を増やすことで30秒でも1分でも話せます。あるいは3分のスピーチでも難なくこなせるでしょう。一般的な話術を鍛えたければ、最小単位である15秒の感覚を磨くのがもっとも効率的なのです。

1分で話すときは、「川のフォーマット」でしたが、15秒で話すときはどのような構成が有効なのでしょうか。ここで読者の皆さんに想像していただきたいのは、ハンバーガーです。

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