企業で「Mac」がどんどん導入されているワケ アップルの驚きのエンタープライズ戦略とは
アップルはビジネス向けにデバイスを管理する「Apple Business Manager」を用意し、プロファイルやコンテンツ、アプリなどを一元的に管理することができるようにしている。
企業のセキュリティポリシーや必要なソフトウエアをプロファイルを通じてセットアップできる。これによって、企業でアップル製品を支給された社員は、シールがベタベタ貼られた状態のマシンが手渡されるのではなく、自分で開封するという体験から簡単にその企業での活用をセットアップできる点は、アップルブランドらしい配慮だ。
すでに4万もの企業がこの仕組みを活用しており、日本を含む64カ国に拡大した。しかしデバイスのセキュリティやセットアップだけでは、なかなかエンタープライズでの活用が広がっていかない。
IBMとのパートナーシップで表れた効果
そこで4年前から、アップルはエンタープライズ分野におけるパートナーシップを始めた。その第1弾がIBMだった。
IBMはすでに自社でのPCの製造をやめ、企業におけるテクノロジー導入や人工知能の開発に注力している企業だ。そのため、モバイルに強いアップルとパートナーシップを組み、エンタープライズ向けのアプリ開発によって、ビジネス変革を手掛けるようになった。
しかしMac導入でIBM自身もコストメリットを享受している。
3年前、Windowsユーザーだった社員にMacの選択肢を与えたところ、現在までに50万人中13万4000人がMacを仕事で使っているという。2016年の試算で、4年間のWindows PCとMacの使用を比較した際、1台あたり273~543ドル節約できることも明かした。
IBMでは社員向けのMac設定アプリ「Mac@IBM」を用意し、セットアップの簡略化やユーザー体験の向上を施すことによって、サポートコストやトレーニングコストを軽減し、また好きなコンピュータが選べる点で社員のエンゲージメントも向上している。
アップルはこうしたエンタープライズ分野のパートナーシップとして、シスコシステムズやアクセンチュア、デロイト、サップを加えてきた。そして2018年、いよいよセールスフォース・ドットコムがパートナーに加わった。
セールスフォース・ドットコムは顧客の7割がiOSを使っており、SDK提供を通じて小規模から大規模までさまざまなサイズのビジネスに対応できるツールを提供するという。
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