「SNS映え」に没頭する日本人はヤバくないか 人生100年時代「3人のパートナー」が必要だ
辛酸:もちろん子どもの教育は一筋縄ではいかないものなので、お嬢様として育った人が大人になってからホストに入れ込み、身持ちを崩す、なんて話も聞きます。ちなみに私自身がインスタグラムから距離を置いたきっかけは、今年の初めに空海の展示を見たことがきっかけです。
坂口:「空海とインスタ」とは、これまた絶妙な組み合わせですね!
辛酸:空海は命をかけて船に乗って世界を旅して、そこで中国の仏教の教えを書き写して、衆生を救うために教えを説いていたわけですが、現代の人たちは自分の承認欲求のために旅行して、写真を撮ってインスタにアップする……空海とはまるでレベルが違います。現代人は承認欲求の虜になって、エゴが肥大化しているのかもしれませんね。
坂口:今の人たちは命がけで旅をした空海からも学ぶことが多そうですね。
2036年にはシニア市場が活況に
辛酸:2025年には団塊世代が75歳になり、シニアマーケティングが広がるとも書かれています。
坂口:2036年には老年人口が全体の1/3に及び、終活や葬儀関連ビジネスもより盛んになります。
辛酸:となるとシニア向けの恋愛市場も盛り上がりそうだなと思いました。
坂口:十数年後には日本には20歳以下の人がほとんどいなくなって、高齢者ばかりになってくる。人生100年時代の生き方を提示した『ライフ・シフト』(和訳:東洋経済新報社)という本も話題になりました。これからは3倍の数のパートナーが必要になるかもしれない、という話が真実味を帯びています。
これまではパートナーは結婚相手の1人だけでよかったけれど、今後は結婚するパートナー、シニアになってからのパートナー、終活をする際のパートナーと少なくとも3人と付き合うことになるかもしれない。
辛酸:生涯、同じ人と連れ添う時代ではなくなってきたということですね。
坂口:たとえ若いころモテなくても、人生の最後に終活パートナーとしてモテたら問題ないらしい。
辛酸:夫婦どちらかが死に別れて1人で施設に入って、そこで楽しく生きるとか、80歳になってから若い人からモテるようになる、なんてことも起こるかもしれない。そうやって死に向かっていくのも悪くないですね。
坂口:今は事実婚も増えていますし、配偶者と死別した後に「姻族関係終了届」を提出して、関係を終了する「死後離婚」など結婚の形態も多様化していくでしょうね。