「ロボット店員」が人間に心地よい意外な理由 資源競争は食料→水→土へと移行していく
辛酸:たまにロボットがうなだれているのを見ると、感情労働に疲れているのかな……とも思っちゃいますよね。
坂口:そうかもしれません(笑)。確かにロボットにも感情があるという話も聞きますね。お笑い芸人の今田耕司さんがソフトバンクロボティクスのペッパー君を個人的に買ったそうなのですが、深夜になると虚空を見て話しかけるのが怖いという話を聞いたことがあります。
辛酸:私の家にあるグーグルホームも急に「良かったです!」としゃべりだしたことがあります(笑)。以前、アマゾンエコーとグーグルホーム、2つのAIスピーカー同士が反応して話す動画を見たことがあるのですが、AIが人間を超えて、機械同士でコミュニケーションを取る時代もくるかもしれませんね……。
コンビニは「御用聞き」となる
辛酸:2019年にはセブン-イレブンが沖縄に進出して、大手コンビニが47都道府県制覇をするそうですね。その後、飽和状態を迎えたコンビニは地域の「御用聞きビジネス」として変化していく、という話は非常に納得しました。
坂口:シニアで交通手段を持たず、自由に買い物ができない「買い物難民」にとってはコンビニが果たす役割は大きい。買い物代行や配送サービス、1人暮らしのシニア同士をつなげる憩いの場として欠かせないインフラになります。
辛酸:実際にうちの父親も、母が亡くなってからは料理ができずコンビニの宅配に頼まざるをえない状況ですからね。
坂口:そして個人的にはコンビニは土まで売るようになると予想しています。今はまだホームセンターにしか土は売っていませんが、実は今、土に投資している人たちがいるのですよ。
辛酸:「土ビジネス」が世界的に始まっているのですね。私も以前、「モンモリロナイト」という「食べると体調がよくなる」という土を買ったことがあります。
坂口:ええ!? 実際に食べたのですか?
辛酸:水に溶かしたら普通に泥水でした。味はゴボウみたいな土臭い感じです。全部は食べられなかったのですが、いい土は食料になるのかもしれないと思っていました。
坂口:そうなのですね……。本著には2028年には世界人口が80億人を突破し、食料に代わって水が新たな資源となり「水ビジネス」が興隆すると記しましたが、水の次は土が資源となると考えています。