飯能駅を「フィンランド化」する西武の本気度 「ムーミン谷」開業へ北欧デザインに改装中

拡大
縮小
メッツァへは森の中を通っていく(編集部撮影)
飲食・物販施設がある無料ゾーン「メッツァビレッジ」(編集部撮影)

フィンランド語で「森」を意味するメッツァは、ムーミンの世界観を楽しめる「ムーミンバレーパーク」と、飲食・物販施設がある無料ゾーン「メッツァビレッジ」で構成する。11月9日にビレッジが先行して開業した。湖を眺めながらの食事や買い物、カヌー体験など、来場者が思い思いの時間を過ごせるようになっている。

メッツァを運営するのはフィンテック グローバルの子会社「ムーミン物語」。同社の渡邊基樹社長は飯能市を選んだ理由について「(都心に近く自然が豊かな)地理はもちろん、飯能市には地方創生への強い思いがあり、一緒にやっていける自治体だと感じた」と説明する。

「あえてコンセプトを固めない」

一方、同社の西山祐介副社長は「ハリウッド型のアトラクションでなく、100人いれば100通りの物語を作れるよう、がちがちにコンセプトを固めることはない」と、従来型のテーマパークとの違いを強調する。

「『働き方改革』で1日8時間しか働けず、ショッピングも電車に乗りながらスマホで済む。これからはどんどん時間ができて暇になっていくのではないか」(西山氏)。宮沢湖の自然を舞台に来場者が時間の過ごし方を自由にデザインする、というのがメッツァの理想のようだ。

12月にはデジタルアートを制作する「チームラボ」が会場を光の球体で演出をする取り組みを始める。

飯能駅とメッツァはバスで結ばれる(編集部撮影)

メッツァビレッジの開業に合わせ、イーグルバスの路線バスに加え、西武バスと国際興業バスが飯能駅発着の直行便の運行を始めた。所要時間は約13分。運賃は大人が200円だ。飯能駅北口からのバスの本数は、平日昼間は1時間あたり3、4本だが、休日は7、8本ある時間帯がある。

次ページ飯能への観光客を増やすには?
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT