リーガルV、米倉涼子を「鉄子」にしたのは誰? ドクターXの後継、鉄道ネタ満載の法廷ドラマ
――第2話の冒頭で小鳥遊翔子が「レッドトレイン」と叫びながら立ち上がる場面が、すごく印象的です。視聴者を置いてきぼりにして、はしゃぐところがマニアっぽい。でも、見ている人は意味がわからないと思います。だって、ちらっと映る車体は茶色なのに、レッドトレイン(*)ですよ。
私たちも「なんでこんなこと言うのかな」って思いつつ(笑)。でも監修者が直して書いてくれたところなので、そんなもんなんだ、と思うしかありませんでした。
――多くの視聴者も「なぜレッドトレインって叫んでいるんだろう」と思うかもしれません。それを僕ら鉄道好きは知っている。小鳥遊翔子に対する共感が増しました。
彼女は元弁護士だけど、弁護士資格がないから法廷に立てない。これは弁護士ドラマとしては致命傷です。でも、第1話で彼女を法定の真ん中に立たせたかった。そこで証人にしようと。彼女の鉄道の知識を駆使して、事件の謎を解かせたかった。そこから痴漢冤罪事件のアイデアができたのです。キャラクターから事件を作ったわけで、鉄道が好きというキャラクターは、今後の物語でも重要な要素となります。
主婦が鉄道を熱く語る時代に
――大宮に鉄道博物館ができてから、鉄道趣味が一般に広く理解されるようになりました。鉄道や路線バスの旅番組の人気も考慮したのですか。
そうですね。私たちも旅は好きですよね。忙しくて行けないときにでも旅行雑誌を読んだりして行った気になって楽しむし、ネットでいろんな地方のものを見ていきたいと思うし。私の世代の主婦に、「鉄道が好き」という人が意外に多い。たとえば山手線に新しい電車が入ったでしょう。すると、普段はそんなに話をしない人でも、ものすごく話をするんですよ。電車の話になると、20 分くらい語る。
電車って、「好きな人は語るんだな」と思いました。ということは、主人公の鉄道好き設定によって、視聴者と対話ができるんです。「レッドトレイン」って言われても、私たちはなんのことやらですけれど、テレビの前の方々は盛り上がっている。その様子が想像できます。
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