カカァ天下の仲間入りを
育児の責任が全部貴女にかかり、父親となる人の協力が得られないために、夫婦喧嘩になるのですね。子供の父親に威厳がないために、家庭の秩序が滅茶苦茶になったと思われているのですね。窪氏のコラムに意を強くし、私はここで貴女に発想の転換をお勧めします。
円満な家庭の多くは、母親中心です。厳格な父親がいても母親の発言権が小さい家庭より、細かいところに気配りができる母性中心に営まれる家庭のほうが上手くいっています。昔からカカァ天下が家庭円満の秘訣というではありませんか。
窪氏はまた「他人の子育て中の成功談、失敗談には耳を貸さないほうが良い」と書いておられました。どうしても大げさになり当てにならない、というのです。「東洋経済オンライン」で連載中の中島義道氏の言葉「他人の成功談は、おとぎ話だと思いなさい」というのも私は好きです。他者の成功談が自分に当てはまると思うな、自分の人生は自分で切り開くしかない、という意見です。同感です。
パートナーは仕事をしっかりし、経済的な責任は一人で担っておられるのですね。その基本的な義務さえ果すこと叶わず、苦労している家庭の多いことを考えれば、一家の大黒柱が仕事熱心なのも、あなたにとっては当然のようですが感謝すべきことです。
結婚前に抱いていた理想の夫婦像を捨てよ
パートナーのお陰で経済活動から解放されている貴女自身も、子育てと両立できる趣味か楽しみを持ち、余裕をもって、子供たちへの関心を少し減らしてみてはいかがですか。パートナーに求めていた威厳も貴女が持ち、貴女中心の家庭内秩序をしっかり作り直す、というのはどうでしょうか。一番優しいのはママ、一番怖いのもママと多くの子供さんは言います、あのような存在です。
パートナーに育児の関心をもってもらう妙案は、私にもありません。しばらくは分業と割り切り、余裕ができた頃に貴女自身に、貴女のご家族にマッチした良いアイディアが浮かぶといいですね。それまでは堂々とカカァ天下を自覚し、プラス思考で家庭を切り盛りされる方向に関心を向ける、急には難しいですが序々にゆっくりとね。
永年トップシンガーとして走り続けてこられた矢沢永吉さんが、還暦を過ぎてふと振り還ったら、そこに(仕事一筋で顧みることのなかった)家族が待っていてくれて嬉しかった、という風なことを言っておられました。
筑紫哲也氏は、家族と密に過ごされたのは癌の終末ケアの最後の数ヶ月間だけでした。その貴重だった時間を振り返り「家族ともっと過ごすべきだった」と残念がられたそうです。夫人は「仕事一筋の人だったけれど、(この時期のお陰で)父親の想いは子供たちに伝わったと思う」と言っておられました。
おとぎ話にもなりませんがお二人とも、子供のことは妻に丸投げで、そのお陰であの偉大な仕事ができている、あるいはできていたのですね。割愛させていただきましたが、あなたが最初に羨ましいと言ってくださった我が家も似たようなものでした。私には大変でしたが世間的にはありふれていて、お聞きになりたくもないでしょうし目障りなことは書かないだけです。貴女が羨ましく読まれた部分もまさに、おとぎ話だったというわけです。
子育ても永遠には続かず期間限定です。あっという間に時は流れ、巣立っていきます。親離れした子供との付き合いのほうが長いことも視野に入れましょう。「まずはガミガミを減らし、結婚前の貴女の理想の夫婦像を忘れて発想の転換を」、というのが私の感想です。
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