トランプよりヤバいアメリカ最高裁「保守化」 アメリカ人が本当に恐れているのはこっち

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しかし、保守への根深い誤解もある中で、確実にメディアの報道が正しい点があるとするなら、保守派の多くが「人工中絶」と「銃規制」には、徹底的に反対しているという点だ。特にキリスト教の教えを大切にしたい人の多くは、人工中絶反対という立場をとる。

人工中絶をめぐっては、1973年にその権利を保証し、中絶を規制する法律を違憲とする「ロー対ウェイド判決」というものが最高裁によって確定されているが、熱心な保守派やキリスト教信者とっては、この最高裁の決定こそ、現状何よりも覆したい最高裁決議のひとつであると言えるのだ。

あっという間に保守派だらけの最高裁に

そんな彼らにとって、トランプ大統領は願ってもない存在だったに違いない。なぜなら、就任わずか2年の間に、2人の保守寄り判事を最高裁判所に送り込んだからである。

最高裁判事の存在というのは、アメリカにおいてはある意味、大統領以上に重要なポストだ。最高裁には定年制がなく、大統領を指名できるほか、かつ政治においても重要な役割を担っているからだ。アメリカはそもそも移民で成り立っている多様な国なので、1つの事柄にもさまざまな見解があり、議会で決定することが困難な争点も多数ある。こうした中、三権分立の一角として重要な決定権を持つのが最高裁なわけである。

アメリカの最高裁判事は9人が定員だが、2016年にスカリア判事が亡くなった後は、リベラル4人、保守3人に加え、保守派と言われながらも案件によってどちらにも転ぶケネディ判事の8人で構成されていた。スカリア判事の欠員を埋めるためにトランプ大統領が指名したゴーサッチ氏は敬虔なクリスチャンであり、人工中絶反対派。彼は49歳という若さで、今年4月に最高判事に就任した。

これで、リベラル4人、保守4人、ケネディ判事という構成になったが、7月9日に今度はそのケネディ判事が引退を表明。その後任にトランプ大統領から指名されたのが、レイプ疑惑を報道されたブレット・カバノー氏だったため、アメリカ中は大騒ぎになった。

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