廃止されて残念!復活してほしい列車10選 今なら需要あるかも…厳しいが夢は持ちたい

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8)寝台特急「あさかぜ」or「サンライズゆめ」

かつて臨時列車として走っていた「サンライズゆめ」(東京―広島、下関)は、最後に走ったのが2008年だから、運転されなくなってから10年になる。伝統の寝台特急「あさかぜ」の後継という役割もあったので、復活してほしい列車である。新山口や下関あたりなら、寝台車に乗ってみたい旅行客も少なからずいるのではないだろうか?

9)寝台特急「北斗星」

北海道新幹線開業と引き換えに廃止となった「北斗星」。しかし、鉄道利用で東京―札幌を昼間に行き来する人は、どのくらいいるのだろうか?

寝台特急「北斗星」。時間はかかるが夜行列車には鉄道旅行の醍醐味があった(写真:F4UZR / PIXTA)

最速の北海道新幹線「はやぶさ」と特急「スーパー北斗」を乗り継いでも、8時間近くかかるので、よほどの鉄道好きでも急ぐ時は空路を選ぶようだ。その点、寝ている間に移動でき、食堂車など鉄道旅行の醍醐味が楽しめた寝台列車は、鉄道ファンにとどまらず愛好者がいたのだ。

鉄道会社の都合で廃止してしまったわけだが、何とも惜しまれる。北海道新幹線の不人気、苦戦を見るにつけ、鉄道会社の方針は正しかったのかどうか?

復活するなら「サンライズ紀伊」?

10)寝台特急「紀伊」

かつて、ブルートレインとして東京から紀伊勝浦まで走っていた寝台特急「紀伊」。これを復活させられないものだろうか?

紀伊勝浦行き寝台特急「紀伊」の行き先表示(写真:オクケン / PIXTA)

「紀伊」は、夜の東海道線を下り、名古屋で併結していた「いなば」(のちに「出雲3号」)を切り離し、ディーゼル機関車DD51形牽引で亀山へ、再び進行方向を変え、DF50形ディーゼル機関車牽引となって紀勢本線を南下し、紀伊勝浦まで走っていた。

もし、復活するとすれば、客車寝台車は現実的ではないから、サンライズ・エクスプレスの予備編成を使い、京都から「はるか」「くろしお」のルートをたどって、和歌山、白浜と電化区間である紀勢本線の西半分の区間を紀伊勝浦あるいは新宮まで行くのはどうだろうか?

この経路であれば、東京―紀伊勝浦は814km、高松より多少長い距離となる。

「サンライズ瀬戸・出雲」のダイヤなら新大阪が4時半頃だから、東京発を22時半とすれば、新大阪が5時頃、和歌山6時頃、白浜7時20分頃、紀伊勝浦着9時頃となるだろう。試しに臨時列車で運転したらどうだろうか?

廃止となった列車は、乗客が少なかったり、コストの面で採算が合わなかったりと、それなりの理由があって消えてしまったものばかりだ。しかし、面白いルートをたどるなど鉄道旅行好きにとっては魅力的な要素が多々ある。定期運行は無理にしてもイベント列車としてもう一度走ってくれたら、と妄想してしまう。果たして夢がかなう日は来るのだろうか?

野田 隆 日本旅行作家協会理事

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のだ たかし / Takashi Noda

1952年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院修了(国際法)。都立高校に勤務のかたわら、ヨーロッパや日本の鉄道旅行を中心とした著作を発表、2010年に退職後は、フリーとして活動。日本旅行作家協会理事。おもな著書に『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている』『シニア鉄道旅のすすめ』(以上、平凡社新書)、『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)、『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』(光文社知恵の森文庫)、『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)などがある。

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