かつては便利だったのに、直通列車が廃止となったため、乗り換えを余儀なくされて不便になったルートがいくつかある。乗客数が減って採算が合わなくなった列車、新幹線優先のため、そのしわ寄せがきて逆に不便になった経路などさまざまである。
そこで、鉄道会社の都合や技術的な諸問題は承知のうえ、利用者、旅行者の立場から復活してほしい列車を妄想してみた。
現実は厳しいけれど、夢は持っていたいと思う。
名古屋から奈良へ直通
JR奈良駅は、全国都道府県の中でJRの定期優等列車が停車しない稀有な県庁所在地の代表駅である。しかし、2006年3月までは、名古屋から直通する急行「かすが」が走っていた。2時間少々での運転は、単線区間が多く、亀山―加茂間が非電化というハンディを考えると大健闘といってよかった。
何と言っても、名古屋から乗り換えなしで奈良に行けるのはメリットであるし、非電化区間の車窓も見応えがあった。名古屋―奈良を最短距離で結ぶ路線だけに、近代化をすれば需要が増大するのではと思う。
しかし、現実には、京都乗り換えで手間はかかるけれど、東海道新幹線+JR奈良線の「みやこ路快速」あるいは近鉄特急が便利だ。
このルートは「のぞみ」など新幹線料金の高さがネックで、安くあげようとするなら、名古屋から近鉄特急を選ぶことも考えられる。快適ではあるけれど、大和八木と大和西大寺の2回乗り換えで、2時間半程度、料金は新幹線の指定席利用に比べると2000円以上安くなる。
関西本線経由の名古屋―奈良間の運賃は、2270円なので、急行での復活なら急行券980円プラスで3250円、新幹線経由の半額である。さすがに、急行での復活はないだろうから、特急ならA特急料金(指定席)の2350円をプラスして4620円。近鉄特急の乗り継ぎより若干高くなる。
近年、訪日観光客の増加で鉄道利用者も多くなっているが、ジャパン・レール・パスでは「のぞみ」は乗れない。シニア向けのジパング割引もしかりである。「ひかり」に殺到する乗客を分散する意味でも、優等列車「かすが」の復活を望みたい。
廃止直前の利用状況とは情勢が変わってきたのではないだろうか?
JR東海とJR西日本にまたがることやディーゼルカーをどうするかなど、クリアしなければならない課題はあるけれど、前向きに検討してもらいたいものである。
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