「すぐやる!」が習慣化する5つのアプローチ 脳を自在に操り、先延ばしをなくす
これを踏まえて、先延ばしグセをなくすための実践的なテクニックを5つご紹介します。
「先延ばし」を自在にコントロールする方法5選
▽まず5分間だけやってみる
取りかかったところで、どれくらい時間がかかるかわからないために、腰が重くなる。こうした不安も、先延ばしグセを進める要因です。ならば、自分で終わりを決めればいいのです。
まずは目の前のタスクに、とりあえず「5分だけやる」と決めて手をつけてみましょう。大事なのは“5分だけ”という点。面白いことに、実際に5分が経過すると、もっと続けたくなります。「終わり時間を決めると、それを先延ばししたくなる」という心理傾向を逆手に取ったアプローチ方法です。
海外の連続ドラマなどを1話だけ見ようと思っていたのが、気がつけば1シーズンすべてを見終わっていたなんてことはありませんか。これも、まず終わりを決め少しだけ始めるとそのまま続けたくなる心理行動からなのです。
▽嫌いなものを先に食べるか、後で食べるか
人は選択肢にあふれていると、全部やろうとして結局、全部できなくなるという話をしましたが、これを避けるために欠かせないのは、優先順位づけです。その際に大事なものさしとなるのは、先延ばしの原因となっている「タスクの難易度」。難しいことから先にやるか、簡単なことから先にやるかです。
あなたは嫌いなものを先に食べますか。それとも後に食べますか。人によって好みは分かれますが、嫌いなものを先に食べ終えてしまえば、精神的に楽になり、残りの食事をゆっくり楽しむことができます。つまり、最も負荷の高いタスクを先に済ませれば、ほかのタスクが楽に感じることができるのです。これを「ワースト・ファーストアプローチ」といいます。
▽自分を鼓舞するポジティブなひとりごと
「できる、絶対できる!」「自分を信じろ、不可能なんてない!」――。
スポーツでも仕事でも、頑張っている誰かを応援するときにこうした声をかけますよね。テニス全米オープンで優勝した、大坂なおみ選手のコーチ、サーシャ・バインさんのポジティブな励ましもこうした手法のひとつといえます。これは「ペップトーク」というモチベーションアップのためのテクニック。これを自分に向けて使う。つまり、自分で自分を励ますことで先延ばしグセを追い払うアプローチが「セルフペップトーク」です。
大事なのは、心のなかで思うだけでなく、「言葉にして、声に出して言う」こと。思いを口に出すことで脳に強く作用しより効果を発揮することができます。
▽細かく区切り「やること」を明確にする
一見すると、難しそうに見えるタスク。しかし細分化してみると、実はそれほど難しくない、小さなタスクが集まっていることが少なくありません。「難しい」と感じたら、全体をいくつかの小さなタスクに分割し、個々の小さなタスクに目を向けてみましょう。
たとえば大そうじをする際、「面倒くさい」と思ってしまうと、先延ばしする可能性は高まります。これを「部屋のそうじ機がけ」「お風呂のカビ取り」「トイレそうじ」「家具や家電の拭きそうじ」のように小分けにすることで、「何をどうすればいいかわからなくて面倒」と思っていた大そうじが一気に具体化されます。やるべきことが明確になることで、先延ばしは生じにくくなるのです。