卓球新リーグ開幕でもどこか惜しかった理由 出足好調も…Tリーグを実際に見て感じた点
Tリーグが掲げた1つのコンセプトに、中国トップ選手の招待があった。女子チームとして参戦しているTOP名古屋の鄭怡静(台湾)と徐孝元(韓国)、同じく日本ペイントマレッツのフォン・ティエンウェイ(シンガポール)といったアジアのトップ選手は顔をそろえたが、今季の中国トップ選手の参加は見送られている。
強化の観点と選手のTリーグのモチベーションの所在は、極めて感覚的な部分が多いという見方は妥当で、事実、記者会見でも「どう強化にどうつなげるか」という質問が飛んでいた。
25日の女子開幕戦の後、日本生命レッドエルフから参戦した平野美宇はTリーグ参加についてこう話した。「(参戦に当たっては)悩んだり、考えたりしました。ただ、ワールドツアーは一回負けたら終わり。(リーグ戦で)試合感覚を掴む意味でも、参戦して良かったと思います」
強化の面については、来年以降中国のトップ選手を呼べるか否かが焦点となりそうだ。
エンターテインメントとしての卓球の魅力とは
Tリーグの松下浩二チェアマンは、開幕戦後に「(1試合当たりの平均)動員2000人を目標にしたい」と話した。
開幕戦は男子が5600人、女子が4500人を超える動員を見せたが、26日(金)は武田テバオーシャンアリーナ(愛知・名古屋)で656人、アリーナ立川立飛(東京・立川)で1168人と落ち込みをみせた。
開幕戦以外で最も動員したのは、石川佳純が所属する木下アビエル神奈川の28日の試合(立川)で、1711人となった。リーグ戦は全国各地で2019年2月末まで行われる予定だ。
現在、卓球のプロリーグはドイツ、フランス、スウェーデン、インド、ロシア、中国などに存在している。水谷隼が「これだけ多くの観客の前でやったことはない」と話していた通り、各国のプロリーグでも動員数は数百人程度にすぎない。
平日開催だったことを踏まえても、開幕戦の数字は非常に健闘したとも考えることはできるものの、開幕間もない恩恵を考慮すれば物足りなさはぬぐえない。
Tリーグ開幕に伴い、ライトファンともいえる「初めて会場で卓球を見た」層も散見された。
何人かに試合後の感想を伺ったところ、「思っていた以上に楽しい。けれどチケットが高すぎるのが……」「せめて子どもや学生向けにもっと安いチケット代にしてほしい」「テレビと違ってルールの説明や解説がないので技術的な部分がわかりにくい」「席が遠すぎてプレーが見えにくい」など、さまざまな意見があった。
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