ブラジル大統領選、ヤバすぎる「暴力の連鎖」 ボルソナロ氏も選挙活動中に腹を刺された
28日の投票日が近付くにつれ、ボルソナロ氏の支持者たちは暴力行為を働き、組織的なオンライン攻撃を行った。ジャーナリストの調査グループ『アブラジ』の報告書によると、特にジャーナリストたちが標的になったという。
ボルソナロ氏自身も9月の大決起集会で腹部を刺され、現在は人工肛門を付けている。12月半ばには手術を受けて人工肛門を取り出す必要があるため、それまではチリの首都サンチアゴやワシントンには行けない。
決選投票で55%の票を獲得
ボルソナロ氏は決選投票で55%の票を獲得し、左派・労働党のフェルナンド・ハダド候補に勝利した。ハダド候補の得票率は45%だったとブラジル選挙高等裁判所(TSE)が発表している。
過激な言動で知られるボルソナロ議員が当選した原因は、過去15年中13年ブラジルの大統領を務めた左派・労働党の人物に対する拒絶感によるものが大きい。深刻な不況に見舞われ、政治汚職スキャンダルの最中、2年前に弾劾が成立し職を追われた。
何千人もの支持者たちが、リオデジャネイロのバーハ・ダ・チジュカ地区の海辺にあるボルソナロ氏の自宅周辺に集まり、当確発表が出されるなか歓声を上げ花火を打ち上げた。
「ボルソナロ氏を崇拝はしていないし、大統領としてうまく務まるかどうかは分かりませんが、期待はしています。国民は労働党にうんざりしており、もう汚職は許されないのです」とシステムアナリストのタチアナ・クンハさん(39歳)はお祭り騒ぎの中で語った。
投資家たちはボルソナロ氏の当選を歓迎した。労働党から権力を奪ったことに安堵し、ブレーンの正統派経済学者が提案している財政改革を実行すると期待しているからだ。
ブラジルのボベスパ指数(市場指数)は3%も上昇し、取引開始後全面高となり、国有企業や優良株がさらに押し上げた後、値下がりした。
ブラジル通貨レアルは10月中対ドルで約10%上昇し、金利先物価格はボウソナロ氏の当選確率が高まってから、劇的に安定している。
投資家の心理が上昇した大きな理由は、ボルソナロ氏がパウロ・グエデス氏を経済大臣に起用するという点だ。グエデス氏はシカゴ大学卒の経済学者で投資銀行家でもある。