ブラジル大統領選、ヤバすぎる「暴力の連鎖」 ボルソナロ氏も選挙活動中に腹を刺された
ボルソナロ氏が勝利したことにより、ブラジル軍が政治の表舞台に返り咲くこととなる。軍は文民政府がブラジルに復活した後30年もの間、兵舎の中で日の目を浴びずにいた。これからは、複数の退役将軍が大臣や側近を務めることとなる。
「国民の皆さん全てに、私の政権が自由と神とを重んずる憲法を擁護することをお約束します」とフェイスブックのライブ動画中継で、当選直後ボルソナロ氏は述べた。
次期大統領の首席補佐官候補はロイターに対し、最初の外遊先はチリになるだろうと述べた。チリは近年の選挙で右派が返り咲いた南米の隣国の1つ。さらに訪米も希望していると述べた。
トランプ大統領のファンを公言するボルソナロ氏はさらに、ブラジル経済を米国のような先進諸国にならって改革し、およそ15年の左派政権で続いた外交関係上の優先順位を組み立て直すとも公約している。
元パラシュート歩兵
世界中でポピュリストの右派政治家が近年選挙で勝利しているが、元パラシュート歩兵で63歳になるボルソナロ氏もその仲間入りとなる。トランプ大統領、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領、ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相などが典型的なポピュリストの右派政治家だ。
トランプ大統領との親密な電話会談が実現したことで、南北アメリカ大陸で1位と2位の経済大国間の政治的つながりが強化されることになる。今や両国とも既存の政治的エスタブリッシュメントを制圧すると誓う人物が国家指導者を務めているからだ。
リオデジャネイロ州立大学の政治学者マウリシオ・サントロ氏は、支持が二極化した選挙戦で生じた、暴力沙汰を伴う緊迫した雰囲気がブラジルから払しょくされるには時間がかかると懸念を示した。
「憂慮すべき状況です。大統領選で勝利しても、ボルソナロ氏の支持者と対立候補の支持者の間でさらなる暴力の連鎖が起こる可能性があります」とサントロ氏は述べた。