新型新幹線N700S、「8両化」に隠された狙い

7両編成のドクターイエローを造る可能性も

九州新幹線の「さくら」はN700系の8両編成(撮影:梅谷秀司)

JR西日本やJR九州の区間では8両編成のN700系や「700系」が走っているが、これらは床下機器配置などについて設計変更が行われている。加えて、JR西日本区間では8両編成の「500系」も走っているが、これは1997年のデビュー当時16両編成だった車両を改造したものだ。両社がこれらの列車を将来、新型車両に置き換える場合、基本設計の変更が必要ないN700Sなら、その分だけ開発コストを節約できるというメリットがある。

では、JR東海のメリットは何か。新幹線鉄道事業本部の上野雅之副本部長は「東海道新幹線がさまざまな編成に対応する必要性はある」と述べたが、東海道区間を8両編成や12両編成の列車が走る可能性については、「現在のお客様のご利用状況を見るとまったく考えられない」と断言した。

確かに現在16両編成で走っている東海道新幹線に8両編成の列車が入ってきたら、混雑度が増してしまう。リニア中央新幹線が開業する2027年以降であれば、リニアへのシフトで東海道新幹線の利用者が減り、短い編成を導入する必要性が出てくるかもしれないが、ずっと先の話だ。

ドクターイエローの開発が容易に

ただ、上野氏は「ドクターイエローは7両編成だ」と語り、ドクターイエローの次期車両がN700Sをベースに開発される可能性に含みを残した。

JR東海のドクターイエローは7両編成。デビューから18年が経過(撮影:尾形文繁)

線路の歪みや架線の状態などを測定しながら走行する事業用車両のドクターイエローは、16両編成の700系をベースとして開発され、2001年にデビュー。正式名称は新幹線電気軌道総合試験車という。700系は2019年度末までに東海道新幹線から引退するが、「ドクターイエローはその後も引き続き運行を続ける」と、JR東海は表明している。

とはいえ、製造から20年以上経てばいずれ引退は免れない。最近ではJR九州のように新幹線の営業車両に測定機器を搭載して架線や線路の状態をチェックする手法もある。効率面を考慮すれば、次期車両を製造せず営業車両に行わせるという見方もできる。この点について上野氏は「まだ検討段階であり、製造するかしないかも決まっていない」としながらも、「700系を7両化したときと比べ、容易に開発できる技術をN700Sは確立した」と胸を張る。

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このほかにもJR東海のメリットとして、「当社が技術協力しているアメリカ・テキサス州の高速鉄道計画は8両編成、また台湾の高速鉄道は12両編成であり、N700Sをベースにすれば開発が容易になる」と上野氏は話す。

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