「ライブコマース」はアパレル業界を変えるか 1万人の1度より100人のファンを増やしたい

拡大
縮小

視聴者を集める方法としては、自社のメールマガジンとFacebookでの告知です。店頭でお会いする方たちにもアナウンスしており、名古屋店ではスタッフと一緒にお客様が配信を見るという光景が恒例になっています。

配信チャネルはFacebookです。Instagramやメルカリなども検討しましたが、ファクトリエに興味があり、応援してくれている方たちが自らの意思でフォローしてくれていること、そして27000人のフォロワーがいることを考えると、Facebookが最も効果的だと考えました。

ただ、これは現時点に限った話であり、適宜変えていくことに抵抗はありません。

日曜日の20時~20時15分に配信している理由は、この時間帯は自宅でゆっくりされる方たちが多く、気軽に見てもらいやすいのではないかという予測に基づいています。サザエさんのように毎週決まった時間、それも明日から一週間が始まる直前になんとなく見て、「楽しかったな。また明日から頑張るか」と思っていただけるような、生活に根ざしたコンテンツを目指しています。

これまでの配信では毎回約1万人に視聴してもらっており、コメントを投稿する方は常連さんが多い傾向にあります。アクセス分布は関東がもっとも多く、全体の約40%。男女比率は5:5で、25~45歳が60%を占めています。

ピークは開始10分前後に持っていく

コンテンツ内容に関しては、コンシェルジュが話したいこと、もしくは自然に話せるテーマとして設定しています。第3回のテーマは「帆布(はんぷ)って何がいいの?」で、あまり聞き馴染みのない帆布という生地の魅力を伝えました。専門用語をなるべく使わず、27000人のフォロワーすべてが理解できるわかりやすい言葉や表現に落とし込むことは、毎回心掛けています。

全体の流れとしては、大まかな構成は決めているものの、台本は作り込んでいません。コメントが寄せられることもあるので、敢えて余白を持たせています。

2人のコンシェルジュにとって、ライブコマースは初めての挑戦です。ここからは2人が実際に肌で感じていることを中心に伝えていきます。プロのMCを模すのではなく、自然な「個」を活かすことに重きを置いているそうですが、自分が普段話している言葉や癖などを、個性を残しつつ表現するのが大変とのこと。

確かに普段通りでいようと思っても、それを意識しすぎるがあまりに普段通りの姿から、乖離してしまうこともあります。こればかりは、配信のたびに振り返りを行い、自分の「個」を客観的に認識することが必要になってくるのかもしれません。

次ページ視聴者とのキャッチボールの難しさ
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT