富裕層が熱心に通わせる「英語保育園」の現在 英語は当たり前、中国語・プログラミングまで
最初のプロセスとしては、「子どもたち自身がプロジェクトの内容を決める」ということ。
つまり、先生が子どもの興味・関心を把握して、コンセプトを立てることになります。一般の学校にあるように1日や月間の決められたカリキュラムがあるのでなく、つねにゼロイチで構築していきます。
たとえば、あるクラスでは、子どもが行列に興味があると先生が把握します。
そこから「行列」→「ものを並べる」→「いろんな生地のものを並べる」といった形で発展させていきます。半年・1年くらいかかるプロジェクトも良くあるそうです。子どもの興味も途中で変わるため、どういう風に継続発展させていくかは非常に大変で、先生同士のミーティングも重要と言えます。
また別のクラスでは、アングリーバード(Angry Birds 鳥を飛ばすアクションゲーム)に関心が高いということで、ゴム銃であるパチンコを作ることをテーマに設定。
最初の試作品はうまく飛ばなかったため、みんなでデザインを工夫し、ホームセンターで工具をそろえて作ったところ、成功しました。
自分たちが選んだテーマだからこそ学びも大きい
そこで終わりではなく、その遊びの中で、次は飛ぶ軌跡を記録するべく、白紙に色の軌跡を残すように先生がアイデアを出して記録し、計測してグラフを作成したそうです。
約5カ月にわたったこのプロジェクトの中では、エンジニアリング、クリエイティビティ、ディスカッション、算数、物理を結果的に学んだことになります。しかも自分たちが選んだテーマなので、集中力も高く効果が得られるというのが、この学校教育のポイントといえるでしょう。
筆者が気になったのが、はさみなどの工具が先の丸い子ども用ではなく、大人と同じ本格的なものを使用していたこと。
聞くと、「リスクのないものこそ、リスクがあると考えています」という明確な回答が返ってきました。
これは留学にも言えることですが、近年は危機管理を優先するあまり、若者の挑戦の可能性を減らしている傾向があると感じています。日本の教育が過保護になりすぎている部分も否めません。
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