知らないと残念「災害保険」見落としポイント 火災より自然災害による被害の方が多いのに

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もちろん、マンションの中高層部のように水害が届くはずのない高さであれば、不担保とする意味はあるだろう。しかし、保険料の節約という視点だけで、水災を外すのは被災リスクを検討してからでも遅くはないだろう。

節約をしたいなら、水災の発生しない地域や、水災の発生リスクの少ない地域を選んだり、災害耐性の強い物件を選択するほうが、結果として安上がりになる可能性もある。保険をかけるかどうかではなく、被災する可能性をいかに下げるか。それがリスクへの正しい対処法となる。

家を買う時には、自然災害についてしっかり情報を収集する必要があるだろう。残念ながら、都市開発や宅地開発で自然災害を加味した開発や建設がされたという話はあまり聞かない。むしろ、災害危険地域にもかかわらず、宅地開発がされているというニュースがあるくらいだ。

持ち家世帯における水災保険加入率は約7割

こうしたなか、住宅の購入を検討する場合は、ハザードマップを確認するだけでなく、古い地図で地名を確認し、過去の自然災害を予見することを勧めたい。不動産業界では、そのような配慮をしていては売れるものが売れなくなってしまうため、災害については最低限の情報しか触れないと思われるからだ。最近では東京の東部、いわゆる城東地域が河川の氾濫による水害が発生し、広域で水没する可能性が高いことが明らかにされた。これから家を買う人にとっては、重要な情報だろう。

通常、新築で家を買ったり建てたりする場合は、住宅ローンを借りて資金を調達するだろうから、火災保険の加入は必須となる。しかし、日本の住宅における火災保険の付保率は、持家世帯で80%程度となっており、実に20%の住居には保険がかかっていない状態である。築年数が古く、当初かけていた火災保険が期間満了となっていることも考えられる。

一方、水災の補償については66%の加入率であり、持家世帯の1/3は水災補償がない状態だ。地震保険に至っては加入率が49%と、過半数の家には地震への備えがないことがわかる。(2017年『保険・共済による災害への備えの促進に関する検討会報告』より)。

つまり、現状だと水害で家を失った場合、約3割の人は自宅再建のあてがない。地震で家を失った場合、2人に1人は何のあてもなく生活再建に挑まなくてはならない。保険は晴れの日に傘を買うようだとたとえられるが、日常生活において自然災害を想定して保険に加入することは、想像力をめぐらせない限り難易度が高いのだろう。

「住宅」以外の補償についてはどうだろうか。台風などの際に、水害で自動車が流されたり、水没したりする映像を見たことのある方もいらっしゃるだろう。土砂崩れで埋まったり、押し流された無残な自動車を見た人もいるかもしれない。自動車保険では、このような時に保険はおりるのだろうか。

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