知らないと残念「災害保険」見落としポイント 火災より自然災害による被害の方が多いのに

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結論から言えば契約によるのだが、自動車保険の本来の趣旨は、自動車事故による損害賠償に備えること。したがって、自動車運転による対人事故、対物事故の際の損害賠償を補償する契約内容となっており、自動車自体に保険を掛けるかどうかは、人それぞれの判断となる。

自然災害も視野に入れた自動車保険に入りたいのならば、車両保険が必要となる。この保険は自動車が壊れたような場合に、修理費用を負担する自動車保険の特約であるが、車両保険は完ぺきな内容にならないので注意が必要だ。

自然災害でケガを負った場合、保険は?

どういうことかというと、車両保険は時価で契約するため、自然災害で自動車が被害にあった場合、自動車が全損となっても、新車購入の費用を全額保険で賄うことはできない。車両保険は、毎年の契約更改(更新)時に自動車保険の金額を下げるようになっている。経年劣化を見込んでいるわけだが、そのせいで長年利用しているマイカーが自然災害に遭遇した時には、微々たる金額しか保険がおりないということはありうる。

また、車両保険が自動車保険の中で保険料を高くする一因となっているため、自動車保険の保険料を安くしたい時に、車両保険を特約から外すという選択肢がある。車両保険を付けない契約となっていないか、自然災害が不安であれば付保しておくべきだろう。

自然災害で死亡やケガを負った時に生命保険からお金は出るのだろうか?生命保険は病死であっても、自然災害などでの死亡であっても、死亡という事実があれば(保険金詐欺よる不支払い、死刑執行などの免責を除く)保険金が支払われる。また、災害割増特約といって、災害や事故などで死亡した際に、死亡保険金以外にも保険金を上乗せして支払う保障がついていることもある。

災害割増特約がついていれば、自然災害での死亡については、不慮の事故扱いで死亡保険金が増額される可能性が高いと考えられる。ただし、最近の生命保険では、災害割増特約を付けない契約が増えているため、一度確認することをお勧めする。

災害割増特約を付けても保険料は数百円アップで済むだろう。保険料は下げればいいというものではなく、必要な補償は金を払ってでも増やすべきなのだ。

一方、生命保険会社が販売している医療保険については、ケガで入院した時は給付金の支払い対象となるが、入院せずに通院しただけでは、給付金の支払い対象とはならないことがほとんどである。損害保険会社の傷害保険の場合、ケガの通院に関して給付金の支払いがあるが、自然災害の種類によっては免責になる可能性もある。詳しくは保険の約款を確認する必要があるため、自分で調べるより保険会社に照会するとよいだろう。

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