iPhone XRが廉価版じゃなく「本命」なワケ アップル幹部のフィル・シラー氏に直撃!
アップルは9月12日に発表したiPhoneの新機種のうち、「iPhone XS(テンエス)」「iPhone XS Max(テンエスマックス)」を9月21日に発売した。そして残る1モデル「iPhone XR(テンアール)」を10月26日に発売する。iPhone XRが2018年のiPhoneの本命と目されている理由は、その価格にある。
iPhone XSは11万2800円(税抜き)~という高価格を維持し、デュアルカメラやエレガントなゴールドカラーを用意するなど、ハイエンドモデルらしい演出が目立つ。さらに画面を拡大したiPhone XS Maxは12万4800円~、512GBモデルは16万4800円と税込価格で17万円を上回る。
一方iPhone XRは8万4800円~と、64GBで唯一10万円を下回る価格設定となった。しかし、注目の理由はそれだけではなかった。
今回、iPhone XR発売に際し、アップルでワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントを務めるフィル・シラー氏にインタビューを行った。iPhone XRに込める思いと、その意味に迫る。
ディスプレーには苦労が詰まっていた
iPhone XRは、2017年に“新世代iPhoneのコンセプト”として発売されたiPhone Xのデザインと技術的要素を引き継ぐ存在だ。フィル・シラー氏は「iPhone X(テン)ファミリー」という呼び方をしたが、「iPhone Xファミリーのトップのテクノロジーを、より多くの人々に届けること」がiPhone XRのミッションだったと語る。
すなわち、顔認証のFace IDを実現するTrueDepthカメラ、iPhone XSと同じ新世代の広角カメラ、縁まで敷き詰められたオールスクリーンディスプレー、そして6.1インチという大画面、ビールやワインをこぼしても問題ないというIP67防塵防水性能、そして秒間5兆回もの機械学習処理が可能な低消費電力を売りとするA12 Bionicチップの搭載がそれに当たる。
その一方で、価格を抑えるために、品質を落とさず細かくコストダウンを図っていた。
たとえば、フレームはステンレスではなくアルミニウムが採用された。それでもiPhoneではおなじみとなった航空宇宙技術に用いられる7000シリーズアルミニウムを採用した。また画面の感圧センサーも省かれた。
最も大きな違いは、有機ELディスプレーではなく、液晶ディスプレーを採用した点だ。それでも、iPhone Xファミリーのアイデンティティを維持すべく、工夫が凝らしてある。
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