乃木坂46の写真集が圧倒的に売れまくるワケ 「乃木撮」31万部突破に見る強みと巧者ぶり
さらに手本にしたいのは、PR戦術。もともと『乃木撮』は昨年2月に『FRIDAY』(講談社)でスタートした連載企画ですが、それをまとめた写真集には200枚以上の未公開カットを入れてプレミア感を加えました。
それ以上に効果的だったのは、公式ツイッターの仕掛け。彼女たちは発売前から「先行カット祭り」と題して写真を惜しげもなく投入したほか、「スタンプ坂」「あごのせ」「推しカット」などのオリジナル動画を各メンバーが次々にアップしました。「まだ発売前だから」「購入意欲が落ちないように」と出し惜しみするのではなく、「どんどん見せてしまおう」「買ってくれると信じてこれもサービスしちゃえ」というポジティブな発想なのです。
この姿勢を最も喜ぶのはファンであり、結果としてリツイートなどの膨大なクチコミにつながりました。「ファンのためになることを考えて実行するほど、応援してもらえる」というネットPRのツボを心得た戦術だったのです。
強みが失われないかぎり、来年も安泰か
もちろん売り上げとしての利益が大きいのは言うまでもありません。講談社は『FRIDAY』と写真集『乃木撮』の両方で利益を得ましたし、「VOL.01」というタイトルからは第2弾も発売されることが予測できます。
乃木坂46にとってもグループのブランドイメージを強化するとともに、既存の人気メンバー以外にも注目してもらう大チャンス。たとえば、人気メンバーのファンが、2推し、3推しを作り、「もし1推しメンバーが卒業したら2推しがスライドされる」という応援サイクルにもつながるなど、メンバー・ファンの双方にいいことずくめなのです。
今年も残り2カ月余りとなり、私のところにも、いくつかの媒体から、「2018年の総括として、トップに君臨した乃木坂46は何がよかったのか、来年はどうなりそうか」という取材依頼が届きはじめています。人気メンバーの卒業という試練こそありますが、前述した「仲のよさ」「互いへの優しさ」と、それが醸し出す「癒やし」「和み」のムードが失われないかぎり、来年も今年同様の活躍が期待できるでしょう。
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