乃木坂46の写真集が圧倒的に売れまくるワケ

「乃木撮」31万部突破に見る強みと巧者ぶり

また、彼女たちが「癒やし」や「和み」を感じさせるのは、「テレビで消費されていない」ことも大きいでしょう。乃木坂46のメンバーは、CMでこそよく見掛けるものの、バラエティにはあまり出演していません。かつてのAKB48グループと比べると、その差は歴然としたものがあります。

現在のテレビ番組、特にバラエティは、いわゆる“毎分視聴率”を獲得するために、笑いどころを詰め込む構成がほとんどで、乃木坂46のようなアイドルも例外扱いはしてもらえません。つまり、バラエティに出演するほど「笑わせる」「笑われる」のどちらかを求められ、誇張したキャラやプライベートのエピソードが必要となるため、好感度をキープするのが難しく、実際に多くのタレントが短期間で消耗させられて出番を失っています。

乃木坂46のメンバーには、そのようなバラエティによる消耗がないため、『乃木撮』の読者たちは素直な目線で見られるとともに、「実はこんなに仲がよかったんだ」「あれ? こんなにお茶目な子だったっけ」などの発見があるのでしょう。

テレビ出演による目先のPR効果に飛びつくことなく、乃木坂46というグループのイメージや好感度を守るブランディングが機能しているのは言うまでもありません。

発売前から「出し惜しみなし」の拡散

そしてビジネスパーソンの皆さんに最も注目してほしいのは、『乃木撮』というプロジェクトの秀抜さ。それは芸能界、出版界の関係者が、「やられた」と悔しがるほどのものだったのです。

真っ先に挙げられるのは、ローリスク・ハイリターンの収支プラン。まずメンバーが撮影することでプロのカメラマン、オフショットにすることでヘアメークやスタイリストなどの人件費を削減し、スタジオの使用料、海外ロケ費用なども必要ありません。「何万部売れるか」という以前に、そのローコストぶりは特筆すべきものがあるのです。

しかも読者にとっては、「プロのカメラマンが海外で撮影したものよりも見たいと感じるレアな写真が見られる」のだから一石二鳥。加えて、「計600枚超のボリュームを掲載し、すべてにコメントをつける」という読み物の要素も加えて購入意欲を加速させました。オフショットの1枚1枚に、「メンバーの誰がどのような意図で撮ったのかを楽しめる」という付加価値をつけたのです。

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