乃木坂46の写真集が圧倒的に売れまくるワケ

「乃木撮」31万部突破に見る強みと巧者ぶり

また、『乃木撮』には水着ショットなどのセクシー要素が一切なく、読者層を女性や子どもにまで広げました。水着やセクシー要素を採り入れたアイドルグループは、そこまでターゲットを広げられないだけに、『乃木撮』ほどの売り上げは見込めないのです。

前述した信頼感や期待感があるからこそ読者は、たとえば寝姿などの不意打ちショットも作為を感じることはなく、テレビ・ネットなどのメディアや、ステージ・握手会などのイベントでは見られない「素の姿を見られた」と楽しめるのです。いずれも、写真集の中でしか見られない姿であることが、お金を払って買う価値の1つと言えるでしょう。

時代とマッチした「和み」

さらに、彼女たちの「仲のよさ」「互いへの優しさ」という強みが、時代性にマッチしていることも見逃せません。『乃木撮』の購入者たちが「癒やされる」「和む」と口コミしていますが、現在はエンタメ全般にそれらが求められているのです。

たとえば、芸人なら内村光良さん、サンドウィッチマン、博多華丸・大吉、イモトアヤコさん、みやぞんさんなど、「癒やされる」「和む」キャラの出番が増えていますし、男性アイドルなら仲のよさで知られる嵐がトップを走り続けています。

連続ドラマでも、今夏は「義母と娘のブルース」(TBS系)と「グッド・ドクター」(フジテレビ系)という、いい人が多く悪い人が少ないピュアな作品が支持されました。反面、ストレスや攻撃性を感じさせるような人や作品は避けられがちなのです。

その点、メンバー同士だけでなくファンにも競争をあおるような女性アイドルグループが多い中、乃木坂46の「癒やし」「和み」というイメージが支持を集めるのは必然。とりわけ複数購入を促すアイドルビジネスに嫌悪感を抱いている人は、購入特典や握手券のない『乃木撮』に「純粋に好き」「ただ楽しみたい」と言える心地よさを感じるでしょう。その穏やかさとクリーンさは、女性ファン層を確実に拡大しています。

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