マライア・キャリーも現れたイベントの正体

「仮想通貨バブル」のうたげは続いていた?

イベントを記念してマライア・キャリーが出演した(主催者ホームページから抜粋)

取引所上場前の今年2月の最終募集だえでも、ノアコインは120憶円相当を完売したとしている。投資家はほぼ日本人とみられる。日本国内の取引所(仮想通貨交換所)は取り扱っていないものの、紛れもなくジャパンマネーが生み出した仮想通貨だ。

しかしその評判は芳しくない。理由は代理店網を通じた販売方法にあった。代理店となってノアコインを販売すると販売額の10~20%が報酬としてもらえ、しかも代理店は1次代理店、2次代理店と階層になっており、上に位置する代理店ほど儲かるようになっていた。これが「まるでマルチ商法だ」との批判を招いた。

さらに、「政財官民が一体となって取り組んでいるプロジェクト」「国家プロジェクト」と販売時に喧伝したことで、2017年3月に在日フィリピン大使館が「ノアコインを国家プロジェクトとして承認していない」と通知する騒動にまでなった。これにより一部返金を迫られることにもなった。

「キング・オブ・コイン」のプロモーター

さいたまスーパーアリーナのステージには、ノアプロジェクトの「プロモーター」として募集や代理店網構築において中心的役割を果たした男性も立った。

イベント当日には参加者の長い行列ができた(記者撮影)

「キング・オブ・コイン」を名乗るこの男性は、来年にはノアコインを基軸通貨とする仮想通貨取引所をフィリピンで立ち上げ、その取引所自体が新たな仮想通貨を発行するという構想を発表。さらに、ノアコインをテーマにしたテレビドラマが日本で制作されることが決まったと報告した。

そして会場に来ている世界大手取引所の関係者に対しノアコインをアピールするため、参加者に「ノアコール」を要求。1万2000人の参加者のうち半数以上が立ち上がって「ノーア!ノーア!」と拳を突き上げながら叫んだ。

マライア目当てやブロックチェーンに純粋に興味を持つ参加者たちは、そのとき悟ったはずだ。イベントの主役はノアであり、この男性プロモーターであるのだと。ノアコールを行った参加者は、ノアコインの投資家や代理店活動を行っていた人たちだったと思われる。

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