50代なら「太ってなくても糖質制限」の理由 医師が教える「病気と老化を予防する」食事

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後々まで残り続けるAGEsの悪影響は、糖尿病の人にだけ関係のある話ではありません。まったく健康な人の場合でも、普通に糖質を食べれば、160㎎/dlを超える高血糖になることがあります。血糖値が高いほど、そして期間が長いほどAGEsは蓄積していきます。

今は健康体でも、毎日の食生活で知らないうちに全身の血管にAGEsをためてしまっている人が多くいるはずです。すでに50年以上も人生を送っている人ならば、誰でも、AGEsによって動脈硬化になるリスクがあるのです。

なるべく早く糖質制限を始め、AGEsの蓄積を止めるべきでしょう。

68歳でありながら肌年齢は52歳

皮膚の糖化度を測定すると、老化の具合がよくわかります。皮膚の糖化度が高いと、しわが多くなり明らかに艶(つや)がなくなりますが、これは皮膚が老化しているからです。

AGEsが蓄積して糖化度が進んでいると、これと同じことが全身で起こっているのです。AGEsは消えない借金のような存在で、新陳代謝で更新されることはありません。その量が多いほど老化が進んでいるわけです。

つまり、老化の元凶の1つはAGEs、糖化なのです。

たとえば、糖質制限を16年間続けている私は現在(2018年)68歳ですが、皮膚の糖化度を計測すると、52歳のレベルだと判定されています。糖尿病であることが発覚して糖質制限を始めた年齢(52歳)で老化が止まっていることになります。

ちなみに私は68歳という年齢ですが、歯は1本も抜けていませんし、身長はまったく縮んでいません。視力は良好で裸眼で『広辞苑』も読めます。夜間頻尿もなく、耳が遠くなることもありません。

いまでは私は、52歳で糖尿病になったことを、とてもラッキーだったと思っています。52歳でスーパー糖質制限食(「糖質制限でも痩せない!」にはこう対処せよ)を開始していなければ、68歳の今頃は、同年齢の男性並みに、歯が抜けたり、身長が縮んだり、聴力や視力が低下したり、夜間頻尿になったりしていたと思います。

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