ページビュー至上主義にモノ申す! 炎のネットニュース編集者がPV争奪戦に吠えた
スタートラインに立つには一定のPVが必要ですが、ネットのバカすぎる現状をどう割り切るか。そういった文脈を理解していないと難しい。ただ、PVをむやみに追いかけると誰かを不幸にします。
ページビュー争奪戦の真理
――どういう意味でしょうか。
「これがウケるだろう」という思考に陥りやすくなります。たとえば、地方の飲食チェーンで客が全裸になった話を、わざわざ見つけ、ネットで拡散する人がいる。それをさらにネットメディアが報じました。PVが取れるからです。
まとめサイトの存在も拍車をかけています。それでPVが取れれば、成果報酬が個人に支払われるからです。バカを探して、PVを取ることは「正義の行為である」との錦の御旗を掲げてネットにさらす。その結果、学生が退学になったり、店が閉鎖したりする。個々人が自分自身の利益を求めることで、何人もの人生を毀損させてもかまわないということになってしまう。その状況はおかしくないでしょうか。
ネットは無法地帯です。何らかの規制をしないかぎり、勝つのはならずものと非紳士。それがPV争奪戦の真理です。
今の日本人は、他人に関心を持ちすぎなうえに、配慮しすぎですね。知人のツイッターのつぶやきでリツイートしたり、フェイスブックの投稿に「いいね!」を付けることに、気を配っている人が多い。
――ヤフーニュースの月間PVは80億以上あります。あまたある、ニュース系サイトのPVをかき集めてみても、この半分に届くかどうかといったところです。
結局のところ、ネットニュースの世界はヤフー1強ですね。ニュース系サイトの編集者やライターも、ヤフトピ(ヤフートピックス)に採用されることを想定して、記事を書いています。スマートフォンの世界では、いくつかの新興ニュースアプリが出てきていますが、まだまだ規模が全然違います。ただし、われわれもアプリ会社との連携はすでに開始しています。