後期高齢者医療制度 高齢者からはじまる社会保障の崩壊 伊藤周平著
「長生きしすぎたんやろか。こんなに辛いなんて」(93歳女性)。75歳以上を対象に今年4月から始まった「後期高齢者医療制度」を社会保障法の研究者が解説。冒頭の女性のように、多くの老人が負担増に苦しんでいるという。
コストカットだけを目的に政府は同制度を導入したと、著者は指摘する。そのうえで高齢者に過酷な「現代のうば捨て山」と厳しく批判し、「制度の廃止と国民的な議論」を呼びかける。年金、介護などの社会保障でも、現役世代を含めた負担増を政府は検討中だが、「社会保障制度は崩壊の危機にある」。世界的にみて優遇されている企業・高額所得者への負担増と所得の再配分が、崩壊を食い止める手段と提案している。
平凡社新書 798円
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