沖縄知事選が示した「野党は共闘すれば勝つ」 安倍政権は改憲を慎重に進めざるを得ない
[東京 30日 ロイター] - 沖縄県知事選で米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する前自由党衆院議員の玉城デニー氏が当選したことで、辺野古問題の行方は不透明感が一段と濃くなった。
また、与野党とも国政選挙並みの態勢で支援したのは、来年夏の参院選を意識していたためで、敗れた自民、公明両党は敗因分析とともに、参院選の帰すうを握る一人区での対応強化を迫られそうだ。
朝日新聞・沖縄タイムス・QAB琉球朝日放送の出口調査によると、30代以上の幅広い年代で玉城氏が支持を広げ、無党派層では7割の支持、自民・公明支持層でも2─3割の支持を得たという。
辺野古移設の賛否が重要な争点に
辺野古移設を巡っては、各種の世論調査で県内世論の5─7割が反対という結果が出ており、明確に反対を掲げた玉城氏が、賛否を明確にしなかった前宜野湾市長の佐喜真淳氏候補(自民、公明、維新、希望推薦)を引き離した格好だ。
また、選挙戦でもう1つのポイントになった経済政策では、佐喜真陣営が政府との強い連携で経済を上向かせると主張。建設業界などを中心に支持を広げる戦術を展開した。
ただ、玉城陣営も翁長県政で外国人観光客が増えた経済実績を強調して対抗した。外国人観光客の増加は、ビザ緩和など安倍晋三政権が進めた政策の効果も大きく、政権側からは政府・与党の政策効果だったのに、翁長県政の得点というイメージが出ていたことにいら立ちの声も聞かれた。