元日本代表・市川大祐が馳せる指導者の想い 引退後、日々湧き上がる勝負の世界への渇望

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「スティーブが『イチ、今日もすごくいい練習してたね』って言ってくれた時、メチャクチャ嬉しかったのをよく覚えています。プロであってもそうなんだから、子どもたちはもっとそう。

特に幼稚園児はボールを投げてキャッチするとか課題ができると『コーチ、こっち見て』と訴えてくる。相手のやっていることをきちんと見るところから指導者の仕事は始まる。そう強く感じさせられます」

指導の奥深さを学びつつも、思いを馳せるのはやはり「勝負の世界」だ。今年夏に小学生を連れてJリーグクラブ同士が戦うフェスティバルに参戦した時、勝負の中で勝利を目指す戦いを思い出し、胸が高鳴ったという。

「アカデミークラスっていう選抜チームを組んで、湘南ベルマーレとか、セレッソ大阪、川崎フロンターレ、ジェフ千葉などと7試合をやったんですけど、やっぱり負けたくないと熱くなった。勝負の世界って面白いなと再認識したんです。

自分はまだどっちの方向に進むか決まってないけど、普及ではなく、真剣勝負を目指す育成かトップチームの方に行きたい気持ちが強まりました。ただ、勝負に関わる指導者になろうと思うなら、岡田監督みたいに決断力がないとダメ。迷いを振り切って、決めたら後ろを振り向かずに『行くぞ』ってみんなを引っ張る強さが求められると思います」

代表監督を兼務するメリットは大きい

9月から本格的にチーム作りを開始した日本代表の森保一新監督も岡田監督のような決断力や意志の強さがあると言われる。

市川 大祐(いちかわ だいすけ)/サッカー指導者。1980年静岡県生まれ。清水エスパルスなどで活躍し、17歳322日の日本代表最年少出場記録も持つ。2016年10月現役引退後、2017年2月に清水エスパルス普及部スタッフに就任(筆者撮影)

市川自身は森保監督と面識はないものの、A代表とU-21日本代表を1人の監督が兼務するメリットは大きいと見ている。

「自分もトルシエがU-20、シドニー五輪、A代表の3カテゴリーの監督をしている時の選手だったからわかりますけど、1人の監督が見てくれることで選手側は先の道筋が見えやすい。

『五輪代表でアピールしていれば、その先にはA代表がある』というモチベーションを持ってやれると思います。そういう意味で兼任監督は大歓迎。

トルシエ時代の自分はいつもいじられたり、苦言を呈されたりして大変だったけど(苦笑)、上を目指しやすい恵まれた世代だった。エスパルスのトップチームいる立田(悠悟)も東京五輪世代の1人ですけど、チャンスは大きい。それを自覚して頑張ってほしいですね」

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