NEXT GAFA?世界で挑戦を続けるメルカリ 「売るために買う」消費行動の変化をもたらす
――フリマアプリ「メルカリ」は世界累計で1億ダウンロード(2018年3月31日時点)を超えていますが、メルカリの強みとはなんですか?
メルカリの強さは、オールジャンルのCtoC(個人間取引)で、モバイルファーストのサービスを展開しているところです。似たようなサービスはインドやシンガポールにもありますが、まだこれで「世界を獲った」と言い切れる企業はありません。
GAFAには、最初からフロントランナーとして走って来たわけではなく、2番手、3番手の位置から現在のポジションを築いた企業もありますよね。メルカリも、日本国内では当初「フリル(現ラクマ)」さんが先を走っていましたが、現在は日本最大のフリマアプリになっています。創業者の山田進太郎も常々申しておりますが、今後、さらに成長するためには、アメリカ市場への挑戦がカギになります。
アメリカ版フェイスブックには「フェイスブック・マーケットプレイス」というフリーマーケットに似た機能があって、学生が大学を卒業する際に下宿の家財道具を処分するのに使ったりするんです。彼らが「やっぱりフェイスブックの取引が安心で簡単だよね」なんて話しているのを聞くと、まだまだメルカリはアメリカでは浸透していないんだなと悔しくなります。逆に言えばこれからの可能性がいっぱいだとも感じています。
メルカリも「NEXT GAFA」と言われる企業の一社になれるかどうか。それがこれからのチャレンジだと感じています。
メルカリは新しい消費行動を作った
たとえば、社内でも「アマゾンで本を買った」なんて言ってしまう社員がいて、「いやいや、そこはメルカリで買ったら?」とツッコミを入れることがあります(笑)。ただメルカリには、アマゾンと違ってユニークな利用法が多いのが特徴です。
メルカリは20~30代の女性で、洋服を出品されるお客さまが多いのですが、新作をトップシーズンに買って、2週間ほど着たらすぐに売るという方がいるようです。そういうサイクルを作って、つねに最新の洋服を着ているわけです。書店で本を買って、まずメルカリに出品してから読むというお客さまもいます。すぐ売れてしまうので、それをプレッシャーにして読み切るのだ、と。「売ることを前提に買う」という新しい消費行動は、メルカリが作ったのではないでしょうか。
必ずしもITリテラシーが高い人だけから広まったわけではないところがメルカリの特徴の1つです。一般的なテック系のプロダクトは、情報感度の高い人々から使われ、広まります。フェイスブックも、マーク・ザッカーバーグCEOがハーバード大学在籍中に仲間内ではじめたものです。しかし、メルカリは、地方に住む主婦の方などから使われはじめ、今では全国に住む多くの方から利用されてるようになりました。
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