イギリス「離脱強硬派」が怒りを隠さない理由 「きっぱり離脱」を求める声が広がっている

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ブレグジットをめぐる離脱派と残留派のせめぎ合いが最も顕著なのがメイ内閣の内情だ。

メイ自身は残留派だったが、首相就任(2016年7月)時点で離脱を成功裏に進めることを政治目標とし、あえて離脱派政治家を主要閣僚として入閣させた。メイ首相が「ブレグジットはブレグジットよ」(Brexit means Brexit)と述べて、離脱推進をきっぱりと宣言したのは翌年の年頭であった。

強硬派と穏健派の対立

この時、メイ首相はいかに自分がブレグジットを本気でやろうとしているかを示す必要があった。そこで、「単一市場からも関税同盟からも出る」と宣言してしまった。この姿勢は「ハードブレグジット(強硬派)」と呼ばれている。

メイ政権は強硬派とできうるかぎりEUと近い関係を保つことを望む「ソフト・ブレグジット(穏健派)」とに分裂しており、メイ首相はどちらに進むのか、つねに選択を迫られてきた。

内閣の亀裂が表面化し、政治危機が生じたのは、今年7月だ。首相の別荘チェッカーズに集まった内閣全員が合意したチェッカーズ案は、モノの移動にのみEU共通の規則に従い、EUの外からイギリス経由でEU域内に入ってくる輸入品に対してはイギリスがEU関税を徴収する形をとる。

人やサービスを含めた単一市場には入らないので、離脱派が最も反対した「人の自由な移動」は終了するが、EUの規則で貿易をするのであれば、離脱が骨抜きになってしまう。これでは交渉できないと判断したボリス・ジョンソン外相とブレグジット担当相デービッド・デービス氏が抗議の辞任をし、メイ首相は主要閣僚2人を失ってしまった。

デービス氏はボルトンの離脱派決起集会に参加し、こう述べた。

「チェッカーズ案によると、離脱後、英国はEUの共通ルールを採用するという。GDP第5位の英国が他国のルールで貿易を行うことを意味する。そのルールを英国が変更することはできない。これを交渉提案の中に入れること自体が、そもそもおかしい」

EUはカナダや日本と自由貿易協定を結んでおり、これらを応用した形の「カナダ・プラス」(カナダ型協定の修正版)と呼ばれるような協定を英国と結ぶことは難しくないはずだ、とデービス氏は言う。

「懸案になっている、イギリス領北アイルランドとアイルランド共和国との国境問題も、解決はそれほど難しくはない。もし交渉が決裂して、世界貿易機関(WTO)を通じて貿易を行うことになっても、それほど大きな問題ではない」。交渉決裂となれば大きな不利益を被るという政府やメディア報道とは一線を画した。

次ページ「知れば知るほど離脱支持に変わった」
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事