石破茂氏「想定超える善戦」が持つ大きな意味 注目の進次郎氏は石破氏支持を表明して投票

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20日午後、安倍首相の3選が決まった。ただ、石破氏も想定より善戦し笑顔だった(写真:共同通信)

現職の安倍晋三首相と石破茂元幹事長の一騎打ちとなった自民党総裁選は20日午後、投開票され、首相が石破氏にダブルスコアを超える大差をつけて連続3選を決めた。首相は3選後のあいさつで「全身全霊で任務を全うする。これからは一致協力して新しい日本をつくりたい」と笑顔で決意表明した。

首相はニューヨークでの国連総会出席などのため、23日から28日までの訪米日程を決めており、30日には米軍普天間飛行場の辺野古移設問題を争点とする沖縄県知事選の投開票が控えている。3選を受けての党役員・内閣改造人事は10月1日に断行して、新体制で秋以降の政権運営に臨むことになる。

新たな総裁任期は2021年9月末までの3年間。首相としての任期とも連動するため、途中退陣などがなければ、首相の通算在任期間は2019年11月下旬には歴代トップの桂太郎元首相を超え、憲政史上の「最長首相」という称号を手にすることになる。

ただ、朝鮮半島情勢など日本を取り巻く国際情勢は一段と流動化しており、11月の米中間選挙の結果次第では日米関係が新たな局面を迎える可能性も大きい。さらに、いまだに完結が見通せないアベノミクスや、来夏の参院選など内政外交両面での難題が山積しており、首相が1強体制を維持しても、厳しい政局運営が続くことになる。

地方票は石破氏が「45%、181票」と大善戦

6年ぶりとなった総裁選の投開票は20日午後1時過ぎから東京・永田町の党本部で行われた。所属国会議員405人(不在者投票5人を含む)が投票し、同日朝から全国各県連で一斉に開票作業が進められた約104万の党員・党友の投票分と併せて、午後2時過ぎに開票結果が発表された。

議員票は安倍氏329票、石破氏73票(無効3票)。党員・党友票の得票数に応じてドント方式で比例配分される地方票は安倍氏224票、石破氏181票。合計で安倍氏553票、石破氏254票と首相のダブルスコアを超える圧勝となった。ただ、地方票での首相の得票率は6年前の石破氏と同じ55%で、8割を超えた議員票との乖離が際立ち、首相陣営が目指した「トリプルスコアでの勝利」とはならなかった。

「予想を超える石破氏の善戦」(自民幹部)という結果に、石破氏陣営には「3年後のポスト安倍への十分な手がかりを得られた」(石破派幹部)と笑顔が広がり、石破氏自身も「自民党は決して一色ではないことを示せた」と次の総裁への決意と自信をにじませた。

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