毒親より「毒子・毒嫁」のほうがずっと問題だ

「包丁を投げる息子」にどう対峙するべきか

一部の例外は別として、ほとんどの親の子どもに対する愛情は無償の愛です。子どもの幸福のためなら自身の犠牲を厭う親などいませんし、見返りを期待して子どもを産み、育てる親などいません。

しかし親の「無償の愛」も子どもが成人後は、子どもとしての礼儀と責任を守ってこそのものであると、私は考えています。

もともと無償ですから、「親の愛の食い逃げ」は一向に構わず、親として望むところです。そしてそもそもこの愛は無償ですから、「恩」など存在しないのですが、中には感謝どころか、逆恨みする人もいるのです。

私は今何組もの、深い親心を踏みにじった息子たちの顔を思い出しながら書いています。欲に目がくらんだ幼稚な屁理屈や、結婚相手の非常識(これがいちばん多い)に染められた心の貧しさからくるトラブルがほとんどです。

昔から、貧しく育った人が親を楽にさせたいとか親の喜ぶ顔見たさに精進したという話は、よく聞きます。これに対し、物心両面でたっぷりの愛を受けた人が成人して、親を疎んだり恨んだ話も確かに多いのです。

親心が枯れたとしても毒親ではない

親心を誤解や曲解し、あるいは打算で親に歩み寄りの余地も見せない人には、人格全体を否定しても足りないものを感じています。このような「子ども」たちに親心が枯れたとしても毒親ではなく、むしろ賢明な親だと感じています。

結婚後に、青天の霹靂(へきれき)のごとく豹変する息子は珍しくありません。ただその後の親が取る態度は、大きく2つに別れます。

子どもへの思いに連綿とする親は(これは当然ですが)、哀しみや悔しさが絶えず、はた目にも気の毒なほどで、体を壊す人も結構います。

一方、「子どもらしい礼儀があってこその子ども」と見限り、物心両面で完全に子どもと縁切りした親のほうが、その内面はともかく、割り切った人生を歩んでいるのは確かです。

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