日立「鉄道快進撃」がイギリスで直面した難敵

電化の遅れ、運行会社撤退、旧式信号…

当初はヴァージン・トレインズ・イースト・コーストが運行する予定だった日立製高速車両「あずま」。同社撤退後の後継会社LNERも愛称は引き継ぐが、登場時にあったひらがなの表示は車体から消えた(写真:Hitachi Rail Europe)

英国の鉄道界はこの数年、新たな転機というべきトピックが目白押しだ。政府主導で旧型の優等列車を日立製新型車両へ置き換えるプロジェクトが進んでいるのをはじめ、ロンドン周辺の通勤ルートなど大都市近郊で積極的に車両更新が進んだことで、鉄道がより快適な乗り物として再認識されるようになってきた。

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「英国鉄道界の大変革」を語るうえで、都市交通部門のトップに掲げるべきトピックはやはりロンドン横断鉄道「クロスレール(エリザベス線)」の開業だろう。市内中心部を東西に走り、地下鉄利用ではアクセスに時間がかかるヒースロー空港へも直結。全長118㎞からなる新たなロンドンの大動脈の建設は「欧州最大のエンジニアリングプロジェクト」と関係者が胸を張る世紀の大事業だ。

だが、もともとは今年末に営業運転開始の予定だったものの、「安全性確保のために最終確認作業にまだ時間が必要」として、開業は少なくとも来年秋まで延期となった。人々の大きな期待を浴びていただけに延期の決定は残念だ。

開業や車両更新の延期が次々と

クロスレールのように大規模かつ新しい鉄道路線の開業スケジュールはもとより、従来からの路線での車両更新もさまざまな事情で遅延が起こる。

英国は鉄道発祥の国だ。初の鉄道が開業してから、かれこれ200年近くが経つ。「21世紀に入ってだいぶ経つのだから、鉄道インフラはきっと近代化されているはずだ」と思うのは大間違いで、実際にはいまだ大英帝国華やかなりし頃のインフラを基礎に使っている駅や線路がそこかしこにあるのだ。インフラがあまりに古く、新型車両のテストを始めてみると想定外のトラブルが続出、導入がどんどん遅れることも決して珍しくない。

すでに日本へもさまざまな形で伝えられているように、英国では日立製の車両があちこちで走り出している。日本国内では新幹線車両をはじめとする各種の車両を送り出している日立だが、こと英国で走らせようとすると「信頼性の高いニッポンの電車」でも全く予想外のトラブルに見舞われるから驚きだ。

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