企業が憤る「障害者雇用」の呆れた"二重構造"

雇用率水増しの裏で、企業に罰金を課す実態

今後、障害者雇用をどのようにしていけば良いのか。SACECの障害者雇用アドバイザーである丹下一男氏は、民間企業にはノウハウが蓄積されているから、そこから学ぶべきだと話す。

「行政も民間企業でやっているように、障害者雇用担当者をおくべきですよね。そしてその人たちが本当の障害者雇用のあり方、あるべき姿を勉強するっていうことから始めなければなりません。何もやらなかったところにすぐやるようにと言っても混乱が起きるだけで、民間の雇用にも波及しますし、それは無理なので、そこは見守らなければならないと思います。

役所にも必ずあるはずの障害者のための仕事を探すということが基本になりますが、何ができるのか、どうすればできるのかっていうのは、経験の積み上げなんですね。役所側は今回、知的障害者や精神障害者にやってもらう仕事はないと言っていますが、そういう前提を払拭しなければダメですね。期間が3年と決まっているチャレンジ雇用ではなく、長く務めることができる人事制度を作らなければならない時に来ています」

上限3年で民間で働くための訓練になるのか

チャレンジ雇用とは、知的障害者や精神障害者等を、1年以内の期間を単位として、各府省・各自治体において非常勤職員として雇用。1〜3年の業務の経験を踏まえて、ハローワーク等を通じて一般企業等への就職につなげる、期限が決まっている雇用制度のことだ。実は障害者の大半がこの制度での雇用となっている。果たして上限が3年の訓練で、民間で働くための訓練になるのかという疑問の声も多い。

民間企業からも同様の意見が聞かれたという。企業側は工夫して障害者のための仕事を見つけ、その中で喜んで働いてもらえるような仕組みを作ろうと努力している。今回の水増し事件を受け、法定雇用率の再度の見直しも必要ではとの声も聞こえる中、どのように行政側が変わっていくのか。

2020年には東京パラリンピックも開催される。そんな中、日本が本当に多様性を受け入れる社会になれるかどうか、時間はもう残されていない。

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