日本は「超エリート」をGAFAに奪われている 「国vs.企業」新しい人材争奪戦が始まった

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スマホアプリが典型ですが、日本ではガラパゴス的に特異なものが人気です。しかし、日本語だからこそ生き残っているサービスが自動翻訳の普及で脅かされるなど、いずれそうしたサービスも、GAFAなどがビッグデータで日本市場に部分最適化したとき太刀打ちできないかもしれない。『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』には、iPhoneの登場によって、ノキアが支えていたフィンランド経済が大打撃を受けたという話が出てきます。日本にとってもひとごとではないかもしれません。

人材も国家が考えなければいけない問題です。どの国もどれだけ優秀な人材を獲得できるかを真剣に考えています。日本は、海外流出してしまう人をどう引き留めるか、どう自国に残り続けてもらうか、あるいはどう海外から誘致するか、まだまだ展望が見えません。

しかも、今後の人材競争の相手は国家ではなくGAFAのような企業かもしれません。巨大企業はガンガンお金を積んできますから、別のかたちで恵まれた環境を整えなければ優秀な人材を国内にそろえることはできません。そこでは、高度プロフェッショナル人材に日本の魅力をアピールするだけではなく、社会も多様性に寛容でなければないはずです。

日本が立ち遅れている人材議論

実は、欧米では人材流出に関する議論はもう一歩進んでいます。優秀な人材が先進国に集中しすぎることで、トップ層の人材が流出してしまった国が国力を失ってしまうことが懸念されているのです。そこで国際社会全体として、それぞれの国に優秀なリーダーを育てるため、一定期間ののちに優秀な人材を母国に戻すべきなのではないかといった議論まで行われているのです。

日本はまだこのような議論のスタートラインにすら立っていません。環境設備も整っていませんし、東南アジアからの労働者についても「日本だったら当然来てくれるんでしょ?」という程度にしか考えていない。実際には日本での労働環境が劣悪なために、比較的単純労働に近い労働力でさえ十分に確保するのが難しい現実があります。いま、国際社会にどういう変化が起きていて、どういう手を打ちうるかを考えること。国家として喫緊の課題だと思っています。

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