グーグル、自社開発スマホ「ピクセル」の野望 10月にも日本発売、iPhoneの牙城を崩せるか
グーグルはここ数年、ハードウエアビジネスの拡大に熱心だ。コタリ氏によれば、この間、さまざまな部門に散らばっていたハードウエアの事業部を1つの部門に集約した。さらに今年1月にはピクセルの共同開発パートナーだったHTCのスマホ事業の一部を、11億ドル(約1230億円)で買収した。同事業に在籍する技術者約4000人のうち半数がグーグルに移籍。HTCのスマホを中心とした特許についても、グーグルがライセンス提供を受けている。
ハードウエア製品群を急拡大中
昨年のハードウエアの発表会では、製品群が大きく広がった。ピクセル2だけでなく、機械翻訳機能を搭載したイヤホン「ピクセルバズ」や、PC用OS「クロームOS」を搭載したノートPC「ピクセルブック」、AIが撮影すべき“決定的瞬間”を認識するカメラ「クリップス」などが披露された。ハードウエアとAIを組み合わせることで広がる可能性をアピールした。
「毎年のように人々がエキサイティングな新製品を開発するのは、ますます難しくなる。ハードウエアだけの進化では限界があるからだ。だからグーグルは大きく異なるアプローチを取る。次の大きなイノベーションはAI(人工知能)とソフトウエア、そしてハードウエアが交わるところでこそ起こるからだ」
かつてグーグルが買収した携帯電話メーカー・モトローラの元CEOで、現在ハードウエア部門を統括するリック・オスターロー上級副社長は、発表会でそう語っていた。
前出のハードウエア部門バイスプレジデントのコタリ氏は、「われわれにはこのビジネスを大きくしたいという野望がある。ハードウエアは必ず、将来の収益成長の重要な部分を占めるようになる」と断言する。
グーグルはこの9月に創業20周年を迎えた。検索エンジンから始まり、広告で莫大な収益を稼ぐインターネットカンパニーは、人間の手が触れる現実世界にも急速に入り込んでいる。この勢いは、まだまだ止まりそうもない。
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