今さら復活「トロリーバス」に隠された新技術 プラハで46年ぶり導入、新世代の乗り物に?

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プラハの人口は約130万人で、西欧の大都市と比較すれば1/5~1/10程度の規模である。しかし、ラッシュ時間帯を中心に幹線道路はかなり混雑し、長い渋滞も発生する。環境面を考えればトロリーバスという選択肢は確かにあるが、無理に導入する理由は見当たらない。

同市では環境問題を考慮し、ディーゼルエンジンを使用したバス路線を極力、環境負荷の少ないトラムへ置き換えていくことを長年にわたって実践してきた。今年春には、郊外へ向かう3区間の建設が議会で決定され、2020年の開業後は同区間のバスを置き換える予定だ。

ただ、意外と起伏のあるプラハの町では、トラムが登るにはいささか困難な急坂も存在し、バスに頼らざるをえない路線もある。そのため、こうした区間へのトロリーバス導入が検討され、1990年代にも一度議論された。

だが、当時は地下鉄やトラム路線の拡充に予算が割かれ、結局は進展しなかった。バッテリー駆動の電気バスを導入する案も浮上したが、急な坂道はバッテリーの消耗が激しく使い物にならないという結論が出ていた。

ハイブリッド仕様で問題解決

しかし、近年になって再びこういった区間のバスを環境負荷の少ない方式に置き換えようとの機運が高まった。

給電システムから電力供給を受けるバス。トロリーポールの上下はセンサーにより自動化され、運転士はいちいち下車する必要がない(筆者撮影)
バッテリー駆動で運行中のトロリーバス。路線のほとんどは、架線なしの区間となっている(筆者撮影)

前述の通り、トロリーバスは架線などの複雑な構造や運用の柔軟性に欠け、一方でバッテリー駆動は勾配区間に弱い。

そこで、終点での充電や勾配区間の走行時だけ架線を使い、それ以外の区間ではバッテリーだけで動かすというハイブリッド仕様のトロリーバスを採用したのだ。

この方式だと、架線を使う区間に入るたびに集電用のトロリーポールを上げ下げする必要があるが、この作業は最新のセンサー技術によって自動化されている。その所要時間はわずか30秒で、乗客が乗降している間に完了する。

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