今さら復活「トロリーバス」に隠された新技術 プラハで46年ぶり導入、新世代の乗り物に?
都市部での衰退は日本に限った話ではない。トロリーバスは激しい渋滞が発生するような大都市には不向きと言われている。
たとえば右・左折車によって混雑するレーンがある交差点でも、架線がある関係でこれらの車を避けることができない。この結果、遅延が発生したり、ほかの車の邪魔になってさらなる渋滞を生み出したりすることがある。無理に車線を変更すれば架線から集電装置が外れてしまい、道路上で立ち往生ということも起きる。
また、トロリーバスにはもう1つの大きな問題がある。それは、ほかの電気鉄道やトラム(路面電車)との交差部分をどうするかだ。
架線方式ならではの弱点
電気で動かす車両には、マイナスとプラスの2本の電線が必要だ。電力で走る一般的な鉄道車両(電車や電気機関車)は、架線から車両に取り入れた電気でモーターを回し、その電気を線路へ流して発電所へ戻すという形で運行されている。架線がプラス、線路がマイナスだ。
だが、トロリーバスは電気を線路へは流せないため、プラスとマイナスの2本の架線が必要となる。すると、鉄道やトラムと交差する場所では、鉄道などのプラスの架線とトロリーバスのマイナスの架線がショートしてしまう。
この対策として、トラムとトロリーバスを併用している都市では、2つの架線が接触しないような工夫がされている。だが、その構造は非常に複雑であり、都市景観の観点から決して見栄えが良いとは言えない。また、東京都で運行されていたトロリーバスの場合、踏切ではいったん停車してトロリーポール(集電装置)を架線から外し、搭載しているエンジンの力で踏切を渡ったあと、再度ポールを架線に戻すという時間のかかる作業を行っていたそうだ。
効率の悪さが目立つようにも思えるが、ではなぜ、今さらトロリーバスなのか。そこには、技術革新と2つの技術の組み合わせというキーワードが存在する。
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