「四季報の完全読破」で人生が豊かになるワケ

20年、16万ページを全部読んでわかった真実

四季報を「企業、あるいは銘柄を調べるための辞書」だと思っている人は多いのではないだろうか。かくいう私もかつてはそのひとりだった。

読破してきた四季報は、「180センチ以上」という筆者の身長を軽く超える(撮影:梅谷秀司)

その考えを改めたきっかけは、かつて在籍していた証券会社の先輩から「四季報、全部読んでこい!」という迫力の“ツメ”(当時の社内用語で厳しい言葉で叱咤激励すること)を受けたことであった。厳しい社風だったので、返事は「はい」か「Yes」しかない。「やらなきゃヤバイ」と動物的直感が働いた私は、条件反射的に「はい、わかりました!」と答えてしまった。

しかし、実際に取り組んでみると、四季報読破は予想以上に過酷な作業だった。1冊目を読破するのに1週間以上を費やした。大変だったが、以来、欠かさず読破を続け、もはやライフワークになっている。読めば読むほど四季報の奥深さを知るから続けられる。

ちなみに今はぶっ続けで読み通すとすれば20時間ほど。普通に生活しながら読むのであれば、2日半で読破している。

四季報読破とは長編小説と同様、「1ページ目から読む」。1ページ目から巻末特典、編集後記までのおよそ2000ページを、数字、記者コメント、月足チャートなど、気になる部分にマーカーをつけながらすべて読むということだ。

四季報読破は「人生を豊かに」してくれる

なかには「全部読んで何の意味があるのか?」と思う人もいるだろう。そういう疑問にははっきり、「四季報読破は、人生を豊かにしてくれる」と答えたい。

私も、はじめのうちは読み終えた達成感しかなかった。だが、続けていくと企業を知る喜び、社会を知る喜び、そして人生を知る喜びと、どんどん楽しみが増えていった。

フェーズ1:街のいたるところで、知っている会社が光って見える

最初のうちは、街のいたるところで、知っている会社が光って見えるようになる。たとえば、「下を向いて歩いているとマンホールのフタが……。虹技! これも上場しているんだ!」「私が好きな長崎の人気土産、九十九島せんぺい……。寿スピリッツ! でも親会社は鳥取にあるんだよなぁ」などなど。ほかの人にとってはどうでもいいような、自分だけが知っている小ネタにちょっとした満足感を覚える。

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