「四季報の完全読破」で人生が豊かになるワケ

20年、16万ページを全部読んでわかった真実

フェーズ2:『会社四季報』の中からよい銘柄が光って見える

次に四季報の膨大な銘柄の中からよい銘柄が光っているように見え始める。そのような銘柄は、実際に株式投資をしても、しなくても、株価が上がってくると自分の努力が市場に評価されたような、ゲームに勝ったような非常に楽しい気持ちになれるのだ。

フェーズ3:世の中全体か光って見える

さらに続けると世の中全体が光って見えるようになる。一人ひとりの働きを積み上げると企業活動になり、一社一社の企業活動を積み上げると日本経済という大きなうねりになる。

つまり、四季報読破を通じて企業活動を見るということは、株式を通して日本経済を見るのと同じこと。投資の結果がよくても悪くても、さまざまな企業の努力を見ていると「日本経済も捨てたものではない」と実感する。すると前向きに企業を応援したい気持ちになり、世の中全体が明るく見えてくるのだ。

フェーズ4:知識と話題が広がる

四季報読破の効果は、それだけではない。個別企業や日本経済の幅広い知識が身に付き、話題が豊富になるおかげで、周囲からの信頼が高まり、さらに業界を超えた人脈がつくれるようになるだろう。その結果、仕事の幅も広がり、充実した毎日を過ごせるという、非常に大きな成果がもたらされると思う。それはまさに「人生を豊かにしてくれる」ことではないだろうか。

四季報は投資の武器として最強

四季報読破を継続できた秘訣は、読破自体を目的とせず、読破の後、いかに仕事や生活に活かすかを目的にしたことが大きかったと思う。

私は大手証券会社に23年間在籍し、そのうち12年は機関投資家営業という業務に携わっていた。具体的に何をしていたかというと、世界中の運用のプロとされる機関投資家相手に日本株を売り込むことだった。市場全体が上がろうが下がろうが、毎日ひたすら日本株の個別銘柄を売り込んでいた。

一般にはあまりなじみがないが、この運用の世界はとてつもなく巨大だ。特に大きいのが「年金」であり、次が「投資信託」である。年金と投資信託を合わせた「運用しなければいけないお金」は、主に運用会社に委託・運用されている。この運用会社を機関投資家といい、その中で実際に運用している人をファンドマネジャーと呼ぶ。

「運用しなければいけないお金」の総額は、世界でおよそ9000兆円強にのぼり、その半分以上が株式に投資されているという。9000兆円というのは日本の国内総生産(GDP)の約16倍、日本の国家予算90年分にあたるとてつもない金額である。

運用のプロの世界では誰よりも好成績をあげることが至上命令だ。あるベテランファンドマネジャーのY氏はそれを「オリンピック」の世界にたとえ、「四季報、全部読んでこい!」と私を叱咤した先輩は自動車レースの「F1」の世界にたとえていた。

次ページなぜ運用の世界は「F1」「オリンピック」なのか
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