「四季報の完全読破」で人生が豊かになるワケ

20年、16万ページを全部読んでわかった真実

オリンピック出場者は傑出していて当たり前。その中で誰よりも速く走り、一番高く、一番遠くに跳んだ者が勝つゲームだ。F1でも速いのは当たり前で、その中で一番速くゴールを切ったドライバーと車が勝つレースである。プロの運用の世界も「儲けるのは当たり前で、その中で一番速く、最も高く上がる銘柄にのったものが勝つ」パフォーマンス競争なのだ。

そんなプロを相手に日本株を売り込んでいくには、セールスとしても“最強の武器”をもたなければ太刀打ちできなかった。そこで私は、片手に当時日本一だったアナリストのリポートを、そしてもう一方の手に四季報を持った。四季報を選んだのはやはり「最強」だからだ。

何が最強なのか ――。それはなんといっても「網羅性」と「継続性」と「先見性」である。

四季報のように上場する銘柄のすべてを1冊に網羅している書籍は世界に類を見ない。また継続性の点でも、四季報は1936年6月創刊号以来、戦中終戦直後の一時期を除いて、83年目の現在までずっと続いている。これだけ継続している書籍もまた珍しい(※1945年は休刊、翌年は年1回で復刊した)。さらに四半期決算などない80年以上前に年4回の発行としたのは先見性があったといわざるをえない(※四半期決算が義務化されたのは2009年3月期から)。

読み始めて4冊目で20倍株に出会った

四季報読破の経験を仕事に活かした事例で忘れられないものが、読破4冊目の1998年4集秋号で見つけた、当時上場したばかりの成長株シートゥーネットワークである(※現在は上場していない)。

当時はドンキホーテホールディングスが上場した直後。しかしディスカウント業態は当時まだ珍しく、デフレ時代にマッチした銘柄が注目を浴びていた。

そのようなときに私は四季報読破をしていて、シートゥーネットワークを発見した。同社は、加工食品のディスカウントストア「つるかめ」を展開していたが、安売りを実現するために、たとえばマヨネーズはトップブランドの「キユーピー」ではなく、値段は安いが味は確かな「ケンコーマヨネーズ」を置いていた。

ユニークな品ぞろえで差別化を図っていた点からも、この銘柄が“光って”見えた私は、証券セールスとして顧客に幅広くおすすめした。その結果、どうなったか。なんと株価は1年ちょっとで20倍以上に大化けしたのだ。

四季報をめくっていなければ見つけることができなかったのは確かで、当然、顧客からは大変感謝された。四季報読破が仕事の結果に直結することを実感した出来事だった。

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